原発事故訴訟で東電の過失の有無が争点に

東電の門前払い戦略は不発、加害責任問われる事態も

東京電力福島第一原子力発電所の放射能汚染事故を巡る被害者救済訴訟で、東電による過失の有無が争点になることが明らかになった。

1月14日に福島地方裁判所で開廷した民事訴訟では、担当裁判長が東電による全電源喪失の予測可能性や過失の有無について「本件訴訟の重要な争点である」と初めて明言。原子力損害賠償法(原賠法)の無過失責任原則に基づき国の基準で決まった金額を賠償すればそれでよし、としてきた東電の姿勢に、司法が疑問を投げ掛ける形になった。

全国の裁判に影響も

現在、東電を相手取って被害救済を求める民事訴訟は全国13カ所で、約4500人の原告によって提起されている。そのうち、津波対策の不備などで重大な事故を招いた東電の過失の有無が裁判で問われることになるのは福島地裁が初めて。原告弁護団事務局長の馬奈木厳太郎弁護士は、「裁判所の判断はきわめて画期的」と評価したうえで、「全国各地でのほかの被害救済訴訟にも好影響を与えるのではないか」と分析している。

福島地裁では現在までに、政府の避難指示によって住む場所を追われた住民や、放射能汚染などで生活が脅かされている住民など1985人が国と東電を相手取って被害救済を求める裁判を起こしている。1月14日までに4度の口頭弁論期日が設けられ、農業従事者や商店主、元教員など計12人の原告が、被害の実態や生活面の窮状について明らかにしてきた。それとともに原告が強く求めてきたのが、加害者責任の追及だ。

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