人気沸騰のじげん、利益率5割超えの秘密 バーティカルメディアというドル箱事業

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求人以外の領域が、中長期的な成長のカギ

営業利益率50%を超える水準のビジネスモデルに、株式市場の期待は膨らむ。2014年3月期の業績は第2四半期まで発表されており、売上高約9億円、営業利益4.3億円。利益率の高さに変わりはない。では、現状のビジネスモデルで売り上げをどこまで伸ばすことができるのだろうか?

じげんのバーティカルメディア事業はライフメディアプラットフォーム事業という呼び方をしており、ライフイベント領域を今後も新しく立ち上げていくと予測される。いわばリクルートがカバーしているような領域はすべてカバーする可能性もある。

「求人領域以外では、住まい領域や自動車領域などはすでに展開を始めている。今後は金融領域や医療領域などの立ち上げも検討している。実現可能性を検討しながらも、スピード感を持ち展開を進める方針だ」(じげん担当者)。

現状の売り上げは15サイトの合算値であり、1サイト当たりの売上はさほど大きくはないか、転職EXのような主力サイトに偏りがあると推測される。求人領域を主軸とするリブセンスも売り上げをほぼ倍々で伸ばしてきていることからも、市場規模自体が大きいため、じげんが売り上げを拡大する余地はまだまだあると考えられる。

求人領域以外でどれだけ売り上げ規模を拡大することができるかが、中長期的な成長のカギといえる。一説には、アグリゲーションに向く領域と不向きな領域があるとも言われており、求人領域に次ぐ次の柱がどの領域になるのかに注目したい。期待値を多分に含むとはいえ、現状の株価は流石に高すぎるといえよう。

梅木 雄平 The Startup編集長

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うめきゆうへい

慶應義塾大学卒業後、サイバーエージェント子会社にてベンチャーキャピタル業務などに従事。複数のスタートアップ企業での事業経験を経て、2011年フリーランスとして独立後2013年に株式会社The Startupを設立。スタートアップ業界のオピニオンメディアThe Startup編集長を務める。著書に『グロースハック』がある
 

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