幼児を放置して「彼氏」に会う42歳女性の悲哀 北関東出身で、親の愛を知らずに育った

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娯楽のない北関東はパチンコ、競艇などのギャンブルが盛んだ。4歳上の恋人はパチンコとスロットが好きで、暇さえあれば、パチンコ店に通っていた。稼いでもすべてギャンブルに使い、最終的には数社のカードローンが満額になった。総額300万円近い借金である。

「怒りっぽい粗暴な性格で、ギャンブルに負けると私にあたる。殴られたり、蹴られたりが日常になって嫌になって別れたいと言ったときから、すごい暴力を受けるようになった。その人は末っ子、私と同じ境遇で、親が長男ばかりかわいがって父親から虐待を受けていた。それでグレてそういう性格になってしまったようでした。自分の思い通りにならないと、本当に狂ったように暴れる」

血まみれになって裸足で実家に逃げた

ある日、殺されるのではないかと思うほど、殴られたことがあった。鼻血がでて血まみれになっても、暴力はとまらなかった。裸足で逃げた。車に飛び乗って、痛みに耐えながらハンドルを握って実家に助けを求めた。実家に戻ると、両親と兄がいた。手当てはしてくれた。そして、数時間後に追いかけてきた男が実家までやってきた。

「男は実家に上がり込んできて、私を抱えて外に連れだした。放り投げるようにして、車に乗せられた。両親とお兄ちゃんに助けてって叫んだけど、全員黙ったままで私を見ようとしない。後ろ姿に何度も助けてって叫んだけど、ダメでした。結局、連れ戻されてまた同じ生活です。そのとき、本当に誰も助けてくれないことを悟りました」

両親の愛情不足が原因で男性に依存するようになったという沢田さん(編集部撮影)

ランチタイムのファミレス、角の席に座る沢田さんの独白のような話は続いた。声が大きい。隣の席に座る客は、時折、われわれのほうを眺めている。男から逃げることができたのは、18歳のときだった。

「そのあたりから本格的に男に依存するようになりました。寮付きの水商売を転々とした。優しい言葉をかけられたらすべてOKしていました。優しくされるだけでうれしくて、断れないし、断る理由がない。恋人を1人に絞るみたいなことができなくて、男関係はずっとメチャクチャでした」

この7年間ほど、ずっと心療内科に通っている。心療やカウンセリングで自分のことを考えることがあり、現在も語りながら自分自身を整理しているようだった。

ひたすら男性との関係は増えていった。同時進行した恋愛関係の最高人数は7人の恋人と、3人の肉体を目的にした友人関係という。一日、何人もと重なる。予定を覚えきれず、混乱するほどだった。そして、27歳のときに長男を妊娠した。SNSで知り合った男性で、7つ年上の新聞配達員だった。

実家から離れて10年近くが経っていた。妊娠がわかったとき、最初に浮かんだのは両親の喜ぶ顔だった。

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