「無趣味になっていく日本人」の実態と背景事情 消えていく多数の趣味、浮上する3つの趣味

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総務省「家計調査」によれば、20年ほど前、1997年の可処分所得は49万7000円なのに対して、直近2017年では43万5000円と、87%程度の水準に。趣味を続けたり、掘り下げていこうとすれば、どうしてもある程度お金がかかるもの。団体やサークルに入れば月謝などもかかってくるでしょう。昨今のフトコロ事情の厳しさが、趣味を持ちにくい・続けにくい状況を作り出している可能性は高そうです。

「趣味離れ」の中、健闘している3つの趣味

とはいえ、ポジティブな動きもあります。

多くの趣味やスポーツがスコアを落とす状況に逆行して、2018年にスコアが「過去最高」を記録したものが「3つ」だけですが存在します。順にご紹介しましょう。

●その1「ヨガ」
2014年4.2%→2018年6.7%(+2.5ポイント、過去最高)

数値自体は小さいものの、じわじわ伸びているのが「ヨガ」。公益財団法人日本生産性本部が2018年に発表した「レジャー白書2018」でも、フィットネスクラブ市場の拡大が伝えられています。街中やオフィスでも、ヨガマットを持って通勤する人をちらほらと見かけるようになってきました。

●その2「モバイルゲーム」
2012年7.4%→2018年24.7%(+17.3ポイント、過去最高)

冒頭のランキングでも触れたとおり、近年急速に伸びているのが「モバイルゲーム」。据え置き型のゲーム機と違い、スマホがあればいつでも・どこでもプレイできることや、ちょっとしたスキマ時間で完結するゲームもあることなどから、趣味にする人が増えているようです。電車に乗って周囲を見渡すと、多くの人がスマホを手にしており、その中にはものすごい勢いで画面をタップし、ゲームに熱中している人もちらほら。同僚研究員に聞くと「ゲーム課金で400万円使ったという猛者もいる」とのこと……。今後もまだまだ伸びていきそうな勢いを感じます。

ただ上記2つは、2010年代に入ってから聴取しはじめたいわば“新参者”。「この程度の期間で過去最高と言われても」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

次ページ2018年に堂々過去最高を更新した歴戦の“ツワモノ”とは?
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