お金持ちに「ヒマ人」がやたら多い本当の理由 なぜ50代でも遊びまくる体力があるのか

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今すぐにやらなければならない仕事に追われることなく、「人と会う」「本を読む」「旅に行く」という体験に投資できる時間が一般人に比べると圧倒的に多いのです。一般人が「仕事7対投資3」だとすると、富裕層はその真逆ではないかと感じるほどです。

富裕層のインスタグラムを見ると、常に旅行の写真ばかりアップしている人たちもいます(しかも長期旅行)。「本当に働いているのかな」と思うこともありますが、配当収入で生活していても、自分がオーナーの会社でちょっとした仕事を持っているという人もたくさんいます。旅先でもリモートで仕事していたり、人に任せるなどの工夫をしているようです。

私自身、シンガポールに住んでいる富裕層のライフスタイルに憧れて、そうした時間配分にするにはどうすればいいかを日頃から考えています。彼らはあくせく頑張っているようには見えませんが、よい習慣を効率的に「ルーチン化」していたのです。

例えば、運動です。外資系の金融機関で働いていたとき、ビルの中にスポーツジムがあって、外国人をはじめとした営業スタッフたちは、出勤前や昼休みなどの隙間時間を利用して毎日運動していました。運動は仕事に必要な体力の維持とともに、長期的な健康を確保するために重要です。しかし、差し迫ってやらなければならないわけではないので後回しにしがちです。

富裕層ほど運動は投資と心得ていて、毎日決まった時間にウォーキングするなど、歯磨きと同じように習慣化しているのです。これが「やらなければいけない」と思うと、億劫になったり、力んでしまって長続きしません。しかし、感情を排して習慣にしてしまえば、短い時間でもよく、決して頑張りすぎなくてもよいのです。

忙しい人が投資する時間を捻出するには

普段慌ただしくしていると、「本を読む」「運動をする」「人に会う」などの時間がなかなか確保できていないと思います。差し迫った仕事を減らせないのと、それにエネルギーを使ってしまうからです。

富裕層の場合、使用人や社員などのスタッフを使い、彼らに的確な指示を出して、上がってきたものに対してチェックすることがほとんどで、自分ですべき実務を減らしています。このように自分が働かなくても、お金を生み出す仕組みをしっかり用意しています。普通の人がメイドを利用したりするのは困難でも、ある程度外注したり、人に任せたりすることは可能です。

例えば、日本で生活していると気づきにくいかもしれませんが、時短に役立つ家電製品や健康的なお惣菜が、海外と比べると結構安い値段で入手しやすいです。また、これは日本に限りませんが、「自分ではなくてもできる仕事は部下に任せる」「仕事をIT化させること」も重要です。私の家では、夫がITを専門としているので、ボイスアシスタントを使ったり、スマホに外付けするキーボードを買ってきてくれたりして、私の執筆をなんとか早められるようにサポートしてくれています。このように、自分の時間を確保するために、有効なツールに投資するのも一つです。目の前の仕事で手一杯になってしまうと、長期的な視野が狭くなる可能性もあるからです。

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