新型「プリウス」実際買うならどのグレードか デザインを刷新、オプション含めて徹底検証

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従来型であれば、とにかく燃費性能を気にするユーザーにはカタログ燃費40.8km/Lを誇るEグレードをオススメしていたが、前述のようにSグレードでもリチウムイオン電池となったことで、特別感は薄れてしまった。価格もEが251万8560円、Sが256万5000円と5万円弱しか価格差がないので、装備が簡素化されてしまうEをオススメする理由はなくなってしまっている。

一方、最上級グレードとなるAプレミアムは、新採用のシートベンチレーション付本革シートが標準装備となる点が最大の違いとなる。また、11.6インチとタブレット端末並みの大きさとなるSDナビゲーションを選択するとJBLプレミアムサウンドシステムが同時に装着されるが、こちらはメーカーオプションで42万8760円と高額となるため、よほどのこだわりがない人以外にはオススメしづらい。

となると残るは量販グレードのSと上級グレードのAとなるが、Aには車線変更時の後方確認をアシストしてくれるブラインドスポットモニター(BSM)と、駐車時のステアリング操作を自動でアシストしてくれるシンプルインテリジェントパーキングアシスト(巻き込み警報機能付)が標準装備される。これはSではオプションでも選択できない装備となるため、この装備が必要な人はAを選択するといいだろう。

Sを選び必要なメーカーオプションを追加する手も

逆にこれらの装備がマストではないユーザーにとってはAとSの差額が27万7560円と大きいため、Sを選び必要なメーカーオプションを追加したほうがよさそうだ。なお、Sを選ぶときに選択してもらいたいメーカーオプションは、非常時給電システム付のAC100V・1500wのアクセサリーコンセント(4万3200円)だ。1500wまでOKということでほとんどの電化製品を使うことができるため、レジャーのときはもちろん有事の際にも心強い。後付けは難しいものだけに最初から装着しておきたいアイテムだ(Aプレミアムは標準装備)。

そしてもうひとつが、ツーリングセレクションにするか標準にするかだが、これはほぼ見た目の違いとなるため、好みで選んでしまって問題ないだろう。ただ、快適温熱シート(シートヒーター)が欲しいと思うとAプレミアムか各グレードのツーリングセレクションを選ぶしか選択肢がない。しかしSグレードでツーリングセレクションを選ぼうとすると約16万円のエクストラコストが必要となってしまうため、非常に悩ましい問題だ。

ということで、もし自分が新型プリウスを購入するのであれば、Sグレードにアクセサリーコンセント、ナビレディセットにT-Connectナビを組み合わせたものを装着したいところ。これでおおよそ乗り出し300万円弱となる計算。これだけの内容の車両が300万円以内で購入できてしまうのはかなり買い得感が高いと言えるだろう。

小鮒 康一 フリー(ライ)ター

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こぶな こういち / Kouichi Kobuna

1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とするが、実は現行車へのチェックも欠かさない。また、中古車販売店に勤務していた経験も活かし、中古車系の媒体でも活動中。できればどこへでもクルマで行きたいタイプで、電車移動は苦手な部類。通称「フナタン」。

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