三井ホームが挑む、都心の「木造ビル」革命 東京都内に初登場、密集敷地を有効活用

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外観では木造とわからない

東京・銀座に登場した何の変哲もないこの狭小ビル。これが、都市部におけるビル建築の流れを変える一石となるかもしれない。実は、都内では初めてとなる5階建ての「木造ビル」なのだ。

施工したのは三井ホーム。ツーバイフォー(2×4)工法で建てられた木造の5階建てビルは国内でも2棟目だという。国土交通省所管の木造建築技術先導事業にも採択されている。

ビルの1階には喫茶店が入り、2~3階が訪問介護を受けている高齢者用の高級賃貸住宅、4~5階がスタッフルームとなる。やや勾配のきつい階段を登ると、居室の玄関が目の前に現れる。1フロアの面積は40平方メートル強で決して広いとは言えないが、鉄骨建築にありがちな圧迫感もない。

足場が不要の独自工法

三井ホームが力を入れる木造ビルの大きな特徴は、都心の狭小地でも、敷地面積を最大限有効に使える点にある。

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建て起こしの現場。ジャッキで壁面を起こす

一般的な鉄骨構造のビル建築では、職人が作業するための足場が欠かせない。そこで、今回のビルでは、三井ホームは独自に開発した「外壁建て起こし」システムを採用した。これは建築途中の床上で職人が壁面を作り、ジャッキで建て起こす仕組みだ。

足場を確保する必要がなくなるため、ビルが密集する都市部でも敷地境界のギリギリまで建てられるようになった。現場で壁面を作るため、クレーンを使う必要がなく、大型車両が入れない場所でも施工できる。

また、鉄骨構造だと部屋の角にハリや柱が出てしまうが、壁と床で建物全体を支える2×4工法で建てられているために妙な出っ張りはない。さらに有効面積を稼ぐため、エレベーターは設置せず、階段部分にいす型の昇降機を取り付けた。

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