ゴーゴーカレーが奄美大島に店を構える理由 創業者が語った「地方への思い」と「ココイチ」

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――今後の成長の青写真をどう描いていますか?

カレーという大枠の中で、事業を多角化していく。2020年までにホットハウスを含め5ブランドのM&Aをしたい。また、東京五輪もあるので、それまでにちゃんと組織も作る。現在、ヨーロッパへの出店も視野に入れている。日本で味わったゴーゴーカレーをいつか現地でも味わっていただきたい。並行して、レトルトの物販やネット販売も拡大する。

われわれが目指すのは、カレーの専門商社、カレーのプラットフォーマーとして世界一になること。5年後、10年後にはスパイスの会社も買収したい。

「パリで勝負したい」

――ヨーロッパにも進出するということですが、具体的なイメージはありますか。

壱番屋さんがロンドンに出すというのもあって、まずはパリを考えている(笑)。今年7月にパリで開かれた「Japan Expo 2018」に出展したら大好評だった。日本好きのイベントだからというのもあるが、「日本に行って必ず食べるよ」とか「おいしい」と言ってくれた。パリの人たちは日本のカルチャーが好きだ。

宮森宏和(みやもり・ひろかず)/1973年石川県金沢市生まれ。高校卒業後、専門学校を経て地元の旅行会社に就職。脱サラして「ゴーゴーカレー」を創業し、2004年に1号店出店(撮影:尾形文繁)

日本のカルチャーといえばラーメン、カレー。一風堂さんはすでにあるけど、カレーはない。具体的な出店時期はまだ決まっていないが、パリで勝負したいと思っている。

現在、ドイツやスペインからも声がかかっている。今、カレーを作るOEM工場(生産を業務委託する他社工場)を探しているところだ。生産体制さえ整えば、EUならどの国でも出せる。

――将来、上場の予定はありますか?

視野に入れている。一風堂さんもそうだったように、やはり世界に行くためにはヨーロッパで信頼を得ないといけない。デベロッパーや賃貸業者と契約するにしても信頼が重要だし、あとは資金調達も必要だ。従業員に対してもストックオプションや持ち株会で還元できる仕組みにしたい。いつか『会社四季報』に載りたいです(笑)。

佐々木 亮祐 東洋経済 記者

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ささき りょうすけ / Ryosuke Sasaki

1995年埼玉県生まれ。埼玉県立大宮高校、慶応義塾大学経済学部卒業。卒業論文ではふるさと納税を研究。2018年に入社、外食業界の担当や『会社四季報』編集部、『業界地図』編集部を経て、現在は半導体や電機担当。庶民派の記者を志す。趣味は野球とスピッツ鑑賞。社内の野球部ではキャッチャーを守る。Twitter:@TK_rsasaki

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