吉越流「定年後」のコミュニケーション術 会社メールで友人に退職の挨拶を送るのはNG

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SNSには興味があるけれど、スマホも不安、パソコンはちょっと苦手という人でも、安心してすぐに利用できるスタイルだと思うのです。2台持ちでも、格安SIMなどを使えば通信費の負担も軽くなります。タブレットはWi-Fi接続ができる場所でしか使わない、という場合なら、タブレットは本体代金以外の通信費は不要です。

LINEは家族と、Facebookは友だちと、で楽しもう

スマホまたはタブレットを入手したら、シニアにこそぜひ試してほしいサービスは、まずLINE、そして Facebookです。LINEは日常的な家族、親戚との連絡に最適です。もしご家族が使っているのならぜひ利用してみましょう。文字や写真のやりとりがリアルタイムでできますし、メッセージを相手が読んだかどうかがわかる「既読」機能も便利です。巨大な絵文字のようなものですが「スタンプ」も使えるのが楽しいところ。しかも最近のスタンプは動きます! さらにLINEを使っている人同士なら音声通話も、テレビ電話も無料というおまけつき。

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Facebookは実名登録が原則で、一般的なブログのように不特定多数の人に写真や文章を公開するというよりも、「知り合い同士」のコミュニティの中でのやりとりが中心になります。つまり地方や海外にいる知人、友人、同級生などとの交流に非常に向いています。Facebookでお互いにときおり近況を書き込んだり、それに「いいね!」をしているだけで、学生時代よりも親しくなってしまう、ということが多々あります。

リタイア後の人生を楽しいものにするには、経済的な安心や、健康であることはもちろん非常に大切ですが、それと同時に、いや時にはそれ以上に大切なのはさまざまな人とのコミュニケーションです。いくらお金があっても、健康でも、家族、地域、友人などいろいろな形のコミュニティーの中でのつながりがなければ、充実した人生を生ききることはできません。

スマホ、タブレット、そしてSNSなどは、非常に優秀で、しかも便利なコミュニケーションツールのひとつです。しかも、体が思うように動かせなくなったときにも、その生活を支えてくれる力を持っています。

「苦手意識」をちょっと脇において、リタイア後の人生を充実させるための一歩を踏み出してほしいと思います。「リア充」ならぬ「リタ充実」をめざしてください。

吉越 浩一郎 吉越事務所代表

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よしこし こういちろう

1947年千葉県生まれ。ドイツ・ハイデルベルク大学留学後、上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。極東ドイツ農産物振興会、メリタジャパン、メリタカフェを経て、83年にトリンプ・インターナショナル(香港)に入社。87年にトリンプ・インターナショナル・ジャパンの代表取締役副社長、92年に同社の代表取締役社長に就任。代表取締役在任中に19期連続増収増益を達成。2004年に「平成の名経営者100人」(日本経済新聞社)の1人に選出される。06年に退任し、現在は、吉越事務所代表。経営コンサルティング、執筆、講演を中心に活躍している。
著書に、ベストセラーとなった『デッドライン仕事術』(祥伝社)や『仕事ができる社員、できない社員』(三笠書房)など多数がある。

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