「安倍3選後の日本経済」が苦しくなる理由 消費増税で株価が下がれば投資チャンスだ

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これから「バラマキ」が始まるのだろうか。草食投資隊は「これからの日本経済は苦しくなる」と予想する(撮影:尾形文繁)
第4次安倍改造内閣が始動しました。いよいよ安倍晋三首相は、念願の憲法改正に向けて動き始めるわけですが、国民にとっていちばん気になるのは、自分たちの生活が豊かになるのかどうかということでしょう。はたして今後日本の経済はどうなるのか。草食投資隊の3人に議論してもらいました。

安倍首相は偉くなりすぎた!?

渋澤:ちょっと前の話になりますが、安倍首相が自民党総裁選で3選を果たしました。国会議員の8割が安倍首相に投票する一方、自民党員の間では45%にあたる181票を石破茂元幹事長が獲得しました。メディアでは「安倍首相圧勝」という意見もありましたが実際はそうでしょうか。国会議員票を多く取れたのは、安倍首相に投票した議員が、ポストを意識したように見えます。

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中野:民主党から政権を奪取して、安倍政権もそろそろ丸6年。日本の総理大臣としては異例の長期政権になるわけですが、こうなると、なかには安倍政権に飽きる人も出てきます。ただ、対抗馬が結局石破さんしかいなかったこと自体、問題ですね。しかも、2人とも大きな違いがあるかというと、イデオロギーの面も含めてほぼ同じ。その意味では、盛り上がりに欠ける総裁選挙でした。

渋澤:私の妻はテレビを観ながら政治評論家になるわけですが(笑)、ただ彼女が言っていたことで「なるほどな」と思ったことがひとつありまして、何かというと、安倍首相は自分のことしか話していないけれども、石破さんは国民目線で話をしていたということでした。確かに、そういう目線の違いみたいなのは感じられました。

中野:そうですね。少なくとも石破さんには、その配慮があったのですが、一方で安倍首相は少し偉くなりすぎたのかもしれません。

渋澤:それが今回の結果だと思います。だから、国会議員票の8割を獲得しておきながら、党員票では45%が石破さんに入ったのでしょう。安倍首相は、これから政治生命を懸けて、憲法改正に伴う国民投票に臨むわけですが、それ以前に国民の生活水準向上に必要な政策は何かをしっかり考えてもらいたいですね。

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