選手のための食事とフィットネスバン

プロゴルファー/小林浩美

  秋に入って旬の食べ物がおいしくなると、お腹の容量を越えてつい食べ過ぎてしまいます。でも、ちょっとやそっとの運動ではなかなか減らないのが体重です。今回は米ツアーでの食べ物と運動のお話。米ツアーでは試合中、ゴルフ場のクラブハウス内に、必ず選手専用のラウンジがあり、そこで朝食も昼食も3時のおやつも、時間になれば好きなものを自由にとって食べられるシステムになっています。日本女子ツアーは一般の人に混じってゴルフ場の食堂を利用するのが普通ですが、自分の好きな時間に並べてあるものの中から選んで好きな量だけ食べられるのは、時間の効率もよく、体調によって食べる量も調節できるので、合理的だと思いました。

最初の頃、それまで和食一辺倒だった私は、朝は利用せず、キッチン付きのホテルに泊って、友達に和食を作ってもらっていました。けれど、プレーの成績はいまひとつ。片や朝からシリアルや食パン、ドーナッツを食べている人達はどんどんいい成績を上げていきます。毎回友達に朝早くから食事を作ってもらうのは気がひけましたし、みんなと同じ食べ物で自分もよい成績を出したいと思うようになり、1カ月後にはパン食に変えました。ところが、パンではどのくらい食べたら満腹になる、という加減がいまひとつわからないのです。何かもの足りないので、少し多めに食べてしまう。また、慣れないツアー生活の中で、選手ばかりのラウンジに入っても会話も満足にできなかったので、ついそこら辺にあるものをつまんでしまう。さらに、ストレスがたまると過食気味になるというのも加わって、1年で体重が一気に8キログラム増えたのです! もともと好奇心が強いので、食事に関しても同様、なんでも試したがります。昼食にはピザからハンバーグ、メキシコ料理に中華料理、パスタ、サンドイッチ、海苔巻き、サラダ、スープ等、地域ごとにいろいろでてきます。3時になると焼きたてのクッキーやチーズなどもでて、プレー前後や練習前後、選手はおおいに利用しています。その上、料金はかかりません。

そんなに増えた体重もあまり重いとも思いませんでした。それは、米国内の移動距離が半端でないのと、4日間の試合が多いのとで相当の体重が要求されていたからかもしれません。このため、みんなに倣って、大型10トントラックにたくさんの運動機器が積んであるフィットネスバンを、週2~3回は利用して体力作りも並行して行いました。オフだけでなく試合中も体を鍛えながら戦うことは当然。私が米ツアーに行った1990年、すでにフィットネスバンはツアーに同行し、常時2~3人のトレーナーが選手の運動指導やケガのケアにあたっていました。選手が動きやすく、かつ、いいパフォーマンスを引き出すための、米ツアーの合理的で便利なシステムには驚かされることが多かったです。

プロゴルファー/小林浩美(こばやし・ひろみ)
1963年福島県生まれ。89年にプロ初優勝と年間6勝を挙げ、90年から米ツアーに参戦、4勝を挙げる。欧州ツアー1勝を含め通算15勝。現在、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)理事。TV解説やコースセッティングなど、幅広く活躍中。所属/日立グループ。
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