インターンシップ選考で厳しい人の5大特徴 その熱意、その自己PRでは、相手に響かない

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4. 参加意欲や熱意が感じられない

魅力ある自己PR、説得力ある志望動機の準備ができたとしても、インターンシップの選考を突破するために忘れてはならないのは、参加意欲や熱意をしっかりアピールすることだ。インターンシップを実施するにあたり、企業はそれなりの費用と時間をかけている。だからこそ、自社にとっても学生にとっても、少しでも有意義なものにしたいと考えている。

そういった企業側の期待に応えるためにも、「志望する職種で求められる専門知識や能力を知りたい」「今学んでいる専門知識が仕事でどのように生かせるのか確認したい」など、参加目的を明確にしたうえで、自分なりの問題意識を持つべきだろう。

また面接では、最後に「何か質問はありますか?」と問いかけられることがある。面接官は学生の志望度を確認しているのだが、その際は、自分の「やる気」を伝えるためにも、事前に業界や企業のことを下調べして、「ナビサイトの情報は確認済みですが、社員の方が意識されている他社との差別化のポイントは何ですか?」とか、「インターンシップに参加できたら、ぜひここを学んでほしいというアドバイスがあれば、教えていただけませんか」など、面接官に一歩踏み込んだ質問ができるように準備しておきたい。

「選考落ち」にもメリットはある

5.選考落ちを恐れてエントリーを尻込みする

倍率の高いプログラムばかり応募して、結局、1社もインターンシップに参加できない学生がいる一方で、「インターンシップの選考に落ちると、本選考で不利になるのでは?」と考えて尻込みしてしまう人がいる。しかし、インターンシップは挑戦することにこそ、意味がある。

就業体験を通して、社風が理解できたり、仕事で求められる能力や専門性が確認できたりすることが、仕事への理解、そしてより良い職業選択につながるのだ。だからこそできるだけ幅広い視野で、いろんな業界、企業のプログラムを、エントリー候補にあげるべきだろう。

インターンシップの選考落ちが本選考に悪影響を及ぼすことはほぼない。本選考でその企業を受ける場合、インターンシップにエントリーしたという事実は把握されているので、むしろ志望度や熱意をアピールする材料になるはずだ。「選考落ちにもメリットはある!」。このことを意識して、積極的に幅広い企業のインターンシップにチャレンジしてほしい。

以上、インターンシップの選考で、陥りがちな注意点をまとめてみた。本文でも紹介したように、インターンシップ経験で得た学びは、参加企業以外の本選考を受ける場合に自己PRの材料に使うこともできるし、たとえ選考に落ちたとしてもメリットはある。参加体験を就活でも生かせるよう、多くのことを吸収してほしい。

吉本 隆男 キャリアライター&就活アドバイザー

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よしもと たかお / Takao Yoshimoto

元マイナビ編集長。1960年大阪生まれ。1990年毎日コミュニケーションズ(現:マイナビ)入社。各種採用広報ツールの制作を幅広く手がけ、その後、パソコン雑誌、転職情報誌の編集長を務める。2003年より就職情報サイト「マイナビ」の各種コンテンツ制作、プロモーション施策の立案・実施を担当。2015~2018年までマイナビ編集長を務める。2019年からは地域創生をテーマとした高校生向けキャリア教育プログラム&教材の開発に従事。2020年定年退職を機にキャリアライター&就活アドバイザーとして独立。日本キャリア開発協会会員(CDA)、国家資格キャリアコンサルタント。著書に『保護者に求められる就活支援』(2019年/マイナビ出版)

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