空前の「猫ブーム」の裏に隠れた残酷な真実 後悔なく猫を飼うにはどうすればいいか?

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消費者が猫ブームに潜む問題に巻き込まれないためには、飼いたい猫種についてある程度の知識を身に付けておくことが大切です。また、それだけでなく猫の入手方法についても注意したほうがいいでしょう。猫を購入するうえで気をつけたほうがいい3つのポイントがあります。

STEP1:「飼育環境」や「両親猫」を確認できる店や猫舎(キャッテリー)を選ぶ

大切な家族の一員となる子猫を迎えるのですから、その子猫が産まれ育った飼育環境が清潔で快適であるか、また、両親猫が健康で友好的な性格であるかを確認することが大切です。それらは子猫の健康や性格に大きく影響します。見学することで、ブリーダーやスタッフの猫に対する愛情の深さや人柄も感じることができるでしょう。

これらの見学が可能なのは、多くが優良ブリーダーの猫舎(キャッテリー)です。また、ブリーダーが経営する直販のペットショップでは、見学が可能なところもあるようです。いずれにしても、インターネットで検索して探すのが一般的です。

経験や知識が豊富なブリーダーが大きな力に

STEP2:購入後もアドバイスをもらえる店や猫舎(キャッテリー)を選ぶ

生涯に渡ってのアドバイスは、子猫にとっても飼い主にとっても心強いもの。元気なときは頼ることはなくても、子猫が問題行動を起こしたとき、病気やケガをしたときには、知識や経験が豊富なブリーダーやスタッフが大きな力になってくれます。しかし、相談する人がいない場合には、飼い主がどうすることもできず、猫を動物愛護センターに持ち込んだり、野山に捨てたりするケースも見られます。万が一のときに備えて、購入後もアドバイスをもらえるか確認しましょう。

STEP3:定期的に健康診断をしているかなどを確認する

猫種によって継承しやすい遺伝子疾患は違います。事前に購入したい猫種にどんな遺伝子疾患があるのか調べておきましょう。専門機関でDNA検査を依頼すれば、その原因遺伝子を持っているかどうかの証明書が出されます。ブリーダーがその検査を行っていれば、両親猫の検査結果を確認することができます。一方、検査ができない猫種や疾患の場合でも、どのような対策をとっているのか、定期的な健康診断をしているかなどの確認をしておくことが大切です。また、両親猫がインブリード(近親交配)でないことも確認したほうがいいでしょう。インブリードで生まれた子猫は障害を持つ可能性が高いからです。

阪根 美果 ペットジャーナリスト

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さかね みか / Mika Sakane

世界最大の猫種である「メインクーン」のトップブリーダーでもあり、犬・猫などに関する幅広い知識を持つ。家庭動物管理士・ペット災害危機管理士・動物介護士・動物介護ホーム施設責任者・Pet Saver(ペットの救急隊員)。ペットシッターや保護活動にも長く携わっている。ペット専門サイト「ペトハピ」でペットの「終活」をいち早く紹介。豪華客船「飛鳥」や「ぱしふぃっくびいなす」の乗組員を務めた経験を生かし、大型客船の魅力を紹介する「クルーズライター」としての顔も持つ。

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