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筑波大学ヒューマンバイオロジー学位プログラムの先進性

5年一貫制博士課程大学院コースに注目

教室内で交わされる言葉はすべて英語。学生の半分は海外からの留学生、多彩な学問領域から集結した国内外の教員に加え、民間企業の研究員なども教壇に立つ……。筑波大学のまったく新しい5年一貫制博士課程大学院コースが2年目を迎えている。文部科学省の博士課程教育リーディングプログラムに採択された、ユニークかつ筑波大学ならではの取り組みは、大学院が本来の最高学府としての機能を取り戻すための意欲的な改革そのもの。実際に現場を訪れると、主役たる教員や学生たちはその先の新しい世界にしっかりと照準を合わせていた。

ヒトの生物学。
ヒューマンバイオロジーの可能性

2011年度からスタートした、博士課程教育リーディングプログラム。文部科学省の厳しい審査をパスしたさまざまなプログラムが走り始めているが、その中でも、オリジナリティの高さと幅広い学際的なカリキュラムで注目されているコースがある。筑波大学のヒューマンバイオロジー学位プログラムだ。

“ヒューマンバイオロジー”とは聞き慣れないフレーズだが、どのような教育、研究をするのだろうか。プログラムコーディネーターの渋谷彰教授の研究室に伺った。
 「ヒューマンバイオロジーとは、これまでの学問領域を超え、ヒトをほかの生物と相対化して生物の一種であると考え、その生命の恒常性維持と継承のメカニズムを、変遷する時の中で捉えようというプロセスそのものです」。

実際、伝統的な医学にとどまらず、生物学、コンピューターサイエンス、計算科学、物質科学などのさまざまな学問領域が、課題解決のために総動員される。

「ヒトの生物学という、新たな分野と言えるでしょう。ヒューマンバイオロジーにとって、医学的な知識や概念は欠かせませんが、これからの医療はヒトの体のみを対象としても根本的な解決には近づけません。たとえば、数理科学です。最近、生物学や医学の領域に進む学生が数学や物理学といった数理科学をあまり学んでいない傾向がうかがえますが、実は、数理科学こそ生物学や医学で非常に役に立つものなのです。ヒューマンバイオロジーは、生物学や医学の研究に数理科学の考え方を導入し、さまざまな問題に対処することを目指しています」。

どういうことか。

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