「お風呂で煙をたく」カビ取り剤が売れるワケ 風呂中に胞子をばらまく「天井カビ」の恐怖

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筆者がこの商品と出会ったのは、築約25年の賃貸物件に住んでいたときのこと。通気性が悪く、特に梅雨の頃から10月頃までつねに浴室掃除で苦しんだ。まめにセスキなどで風呂掃除→なのにすぐ黒カビ発生→塩素系カビ取り剤で除去→まめに掃除するもすぐに黒カビ発生……この無限ループに疲弊してしまい、ママ友に相談したところ、「アレ使ってみたら?」と、何人かに勧められたのが、同商品だった。CMを見て気になってはいたが、煙をたくなんて手間どりそうだしちょっと怖い。そう思って敬遠していたが、オススメ品ならばとワラにもすがる思いで試してみた。

くん煙の様子(写真提供:ライオン)

意外と使い方は簡単だった。浴室の窓を閉めて換気を止め、同商品の容器に水を入れて浴室の真ん中に置くだけ。そして、煙が出始めたらドアを閉めて1時間以上放置し、その後しっかり換気すれば終わりだ。香りはフローラル、ミント、せっけんのうち、筆者はせっけんを使用。無臭タイプがあるといいなとは思うが、香り付き柔軟剤や塩素の臭いが苦手な筆者でも比較的抵抗感なく使えた。

浴室が濡れていても乾いていても効果が変わらないのだが、これが使いやすい。また、害虫駆除目的のくん煙剤のように浴室の中のモノをすべて移動しなければいけないのかと思っていたが、銀イオンは人体への安全性が認められているためそんな必要もないらしく、むしろ子どものオモチャや洗面器などもそのまま置いておくとまるごと一緒に除菌できるという(注:とはいえ、煙を吸い込まないよう注意は必要)。

黒カビが残ったままでもそれ以上の繁殖を抑える効果があるようだが、せっかくなので筆者は使用前にしっかり塩素系カビ取り剤でカビを除去。その結果、冬場は壁や床をほぼ掃除しなかったにもかかわらず3カ月近く黒カビを見ずに済んだ。

3月には実家の浴室でも試したが、2カ月弱、黒カビは現れなかった。今まで1カ月に1~2回カビ取り作業をしていたが、1.5カ月~2カ月に一度これを利用すれば黒カビをずっと見なくてすむということだ。なんてラクチンなのだろう。難点は、カビが現れないのは本当に同商品のおかげなのか効果をいまいち実感しにくいこともあり、うっかり定期利用を忘れてしまうこと。忙しい人やズボラな人には少々管理しにくい商品かもしれない。

浴室の黒カビ原因を突き止めた!

最近、メディアでもよく取り上げられるためご存じかもしれないが、浴室の黒カビの原因は「天井カビ」にある。天井は比較的早く乾き、汚れがつきにくく、カビの成育には好ましくない場所なので、一目でわかるような黒カビが発生する家庭はあまりない。

しかし、実は目には見えなくても1cm四方に最大で10万個のカビが潜んでおり、子孫を残すために胞子をたくさん作って壁や床にばらまくのだそう。多くの人が、この驚愕の事実を知らずに天井のカビを放置していたため、何度カビをとってもまた生えるという無限ループに陥っていたのだという。

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