人生で1000万円得するための家計の見直し方 家計を5つに分解すると、改善点が見えてくる

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次に有効なのはやはり家計簿アプリの活用による「見える化」です。といっても、最近の家計簿アプリはクレジットカードや電子マネーのアカウントを連携させたり、アマゾンや楽天の買い物履歴を自動記帳させる機能がありますし、買い物のほとんどもレシート撮影機能で記帳できます。記帳の負担は大きく下がっているため、紙の家計簿の時代よりぐっと簡単に続けられます。

家計簿アプリ「マネーフォワード」の有料会員は、平均2万4728円の節約に成功しているそうですが、これは年29万7000円つまり約30万円の節約に相当します。25歳の頃に家計の改善に成功し、これを継続したと仮定すれば65歳まで累積1200万円のムダ遣いをせき止めることに成功するわけです。

貯める/増やす……定期預金で年0.01%で積み立てしてもおカネはほとんど増えません。目の前では株価が調整をしたというものの、ここ数年で株式投資の上昇率が大きいことは誰でも知っていることです。

22歳から65歳まで、毎月1万円の貯金をしたとき、年利0.1%では65歳時点での受取額は527万円にしかなりませんが、投資を行うことで年利4.5%の確保に成功すると同じ積み立てペースであっても65歳時の受取額は1573万円となります。同じ「貯める/増やす」のはずが1000万円の差が出たことになります。

「低コストの投資信託を粘り強く」がおすすめ

ただし、株価が上下動しているときも定期的に積立投資をすることが肝心で、国内外に分散投資される低コストの投資信託を活用することがカギとなります。株価が下がっているとき、投資を続けて回復時を待てるかどうかが最終的な運用成果を分けるでしょう。最近話題となっている「ほったらかし投資」の方法を学ぶといいでしょう。

借りる/返す……金利は人生を大きく左右する一大事です。2010年頃の住宅ローンはフラット35でも3%前後でしたが、仮に35年で3000万円のローンを組めば4849万円の総返済額でした。

しかし現下のような超超低金利下で、1.5%の条件を獲得できると総返済額は3858万円、1000万円もコストが変わることになります。

金利を気にするべきは住宅ローンだけではなく、リボ払い、キャッシング、パーソナルローン、消費者金融など、年10%以上の金利が設定されるような「借金」に追われて生きる人生と、それと無縁の人生とのあいだには、簡単に数百万円の「差」が出てきます。どちらの人生を選ぶべきかは明らかです。

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