「カフェで仕事する人」はぶっちゃけ邪魔か コーヒー1杯で居座られても…

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そこにフリーランサーが加わるから、ノマドワーカーの数が大きく膨らむのも不思議ではない。もちろん在宅ワーカーのなかには、文字どおり自宅で仕事をする人もいるが、かなりの数が街中のカフェを利用している。

スターバックスのように、大量のテイクアウト客がいるチェーンは、さほど影響を感じていないかもしれない。だが、小規模なカフェやレストランにとっては切実な問題だ。「5ドルのコーヒーで3時間居座られたら商売にならない」と、2カ月前にエスプレッソ・カフェを開いたデビッド・ウィンは言う。

パソコン専用の部屋を設けたが…

店側の選択は二つに一つ。心を鬼にしてノマドワーカーたちに出ていってもらうか、または彼らが罪悪感から注文を増やすか、短時間で自分から移動してくれるのを祈るかだ。

ただ、どちらがいいという正解はない。「あれこれルールのあるカフェにはしたくない」と、Wi-Fiサービスをやめたグランビルは言う。ニューヨークのクイーンズに25席のカフェを開いたリッチ・ニエトは、「パソコン使用可」の部屋を設けることで問題は解決したと思った。

ところがある日、8席のパソコン室が満席になると、入れなかった客が別の部屋に席を取り、電源を隠してあった壁紙をはがして、パソコンのコンセントを差し込んだ。「お手上げだよ」と、ニエトはため息をつく。「初めてパソコンを抱えた客を見たとき、『すみませんが、パソコンは使えません』と言ったら、イェルプ(レストラン口コミサイト)で星を1つにされた」。

ウィンのエスプレッソ・カフェは、ノマドワーカーを受け入れているが、ちょっとした工夫をしている。無料Wi-Fiを使いはじめて2時間経つと、新しいパスワードを店員に直接聞かなければならないのだ。そのコミュニケーションと、キッチンからの料理のにおいで、コーヒー客にランチも注文させる狙いだ。この戦略はなかなかうまくいっているという。

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