イタリア総選挙は「ハングパーラメント」に 両院とも過半数を獲得する政党がない状態へ

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 3月4日、投開票のイタリア総選挙は、国営イタリア放送協会(RAI)などの出口調査によると、どの政党も過半数を獲得できないハングパーラメントとなる見通し。投票所に並ぶ有権者たち。ローマで撮影(2018年 ロイター/Yara Nardi)

4日実施されたイタリア総選挙(上下両院)では、両院とも過半数を獲得する政党がないハングパーラメントとなる見通し。

開票率が75%強の段階で、主要3勢力はいずれも単独で議会の過半数を確保できていない。

現時点で考えられる連立のシナリオには、EU懐疑派連合の誕生が含まれ、欧州連合(EU)にとって新たな頭痛の種となりそうだ。

最終結果が明らかになるのは5日となる。

「五つ星運動」が躍進

下院では、ベルルスコーニ元首相率いる野党「フォルツァ・イタリア」を含む右派連合が最大勢力となる見込み。

右派の得票率は37%程度。フォルツァ・イタリアが14%で、反移民を掲げる同盟(旧北部同盟)が18%で優勢となっている。

単一政党として得票率が最大となる見通しとなったのは反体制派政党「五つ星運動」。得票率は31%となり、前回の25%から伸びる見通し。

五つ星運動の幹部は、同党なしに連立を樹立するのは不可能だと語った。

同盟の経済担当幹部は、五つ星運動との連立の可能性を示した。

与党・民主党を中心とした中道左派連合の得票率は約22%。貧困や高い失業率、移民の大量流入への反感で票を失った。

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