日本株はトランプ保護主義で再下落するのか 袋小路に陥った米トランプ政権をどう見る?
前回のコラム「『日経平均2万円割れ』の懸念は消えたのか」では、日米の株価見通しについて、以下のように予想した。少し長くなるが要旨はこうだ。「ニューヨーク(NY)ダウ工業株指数は2月9日(金)のザラ場安値2万3360ドル、日経平均株価は2月14日(水)の同2万0950円で、底値を形成した可能性が高い。それぞれの安値が、振り返ってみれば今年の最安値であった、ということになると考えているが、もちろん、その水準を割り込んで安値を更新する可能性はゼロではない。であったとしても、深く大きく割れる公算は薄く、したがって両指数は、ずばり底値でないとしても、底値「圏」を形成したと判断している」。
「首の皮1枚」だが底値「圏」形成の見解は変わらず
その背景となる理由についても、改めておさらいしておこう。米国株価の下落は、米国経済や企業収益に悪化が生じたわけではなく、そうした投資環境の「実力」に対して株価が買われ過ぎていたものが終焉を迎え、適正水準に向かって株価が下落するという「正常化」が進んだためである。
また、すでに2月安値水準で十分に正常化は進んだと考えるため、これから米国経済の実力に沿った穏やかな株価回復基調に復しよう、といったものであった。日本株については、日本発の悪材料は見出しにくく、日本株は割高でもないため、米国株価(とそれに連れての米ドル相場)が戻れば、日本の株価も戻るだろう、という考えだ。
先週は再度、世界株価の下振れが生じた。米NYダウ工業株指数は、まだ2月のザラ場安値には距離があるが、日経平均は、日本での現物指数は上記の2月安値を割れていないものの、夜間の日経平均先物は一時割り込んだ。ただし、3月2日(金)の米国株価の持ち直しから、シカゴ日経平均先物は、2万1000円台を回復して週を終えている。
このように、まだ日米を含む世界株価は脆弱で、前回述べたように、最安値を割り込む可能性が残っているが、それでも深く大きく下回るのではなく、底値「圏」形成から株価持ち直しに向かう、という見通しは変えていない。
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