「腕時計型デバイス」はけっこう使えるかも デザインは野暮ったいけどハイテクなガジェット

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また、ギアには190万画素の小型カメラも付いている。このカメラで写真を撮影すると、無線通信を通じて自動的にノートに転送される。盗撮をしているような雰囲気になるのがいたたまれないが、突然のシャッターチャンスに対応できそうだ。

サムスンはノート、ギアとも9月25日に韓国など58カ国で発売した。10月中には日本や米国を含む多くの国で発売され、世界140カ国で販売されるようになる見通し。日本では前述のようにドコモに加え、KDDIも販売する。

ギアの価格は3万6540円(KDDIのオンラインショップでの価格)、ノートの価格は2年縛りで3円程度になると予想され、かなり高い。しかも価格が高いプレミアムモデルの割にはノートもギアもハードウエアのデザインがもっさりしていて野暮ったい。それが大きな欠点といえるが、最先端ガジェット好きにとっては、許容できる程度の欠点かもしれない。

S4の日本専用モデル投入も

今夏のドコモの「ツートップ戦略」により、ドコモ内でのシェアを引き上げたサムスンだが、競争環境は激変している。ドコモがアイフォーンの取り扱いを開始したことにより、今後はシェアの低下が予想される。劣勢から挽回するために、ドコモ向けにS4の日本専用モデルを供給する計画も、ウワサされており、10月10日に発表する見通しだ。

専用モデルが実現すれば、グローバルに同一の機種を販売しているサムスンにとっては異例の国別専用モデルだ。

先進国市場の中でサムスンが1位でも2位でもない国は日本だけ。例外的にシェアが低い日本での地位を高めるべく、攻勢の手を強める方針だが、果たしてどうなるだろうか。

(撮影:尾形文繁)

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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