アップル、増収維持は日本のおかげ やっぱり日本人はアップルが大好き

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アップルが7月23日に発表した2013年第3四半期(4~6月)決算は売上高が353億2300万㌦と対前年同期の350億2300万㌦に比べ、わずか1%の増収にとどまった。同四半期の純利益は69億㌦で、対前年同期比21%の減益。2四半期連続の減益であり、「アップルの黄昏」を示す決算になった。

一方で、不思議な現象がある。日本市場ではあいかわらずアップルは絶好調なのだ。今回、地域セグメントの売り上げを見ると対前年同期比でプラス成長だったのは最大市場である北米と日本だけ。しかも日本は27%成長と北米の12%成長を大きく上回った。同四半期のアップル全体の売り上げへの日本の貢献度も前年同期の5.7%から7.2%へ増加している。

円ベースでは50%以上の成長

円ベースでの成長率はもっと大きい。為替相場が前年同期の1㌦80円水準から100円前後の水準へと円安が進行しているため、現地通貨(円)ベースでの増収率はより大きい。単純計算で日本円の売り上げを計算すると、前年同期が20億㌦×80円で1600億円、今期が25億㌦×100円で2500億円となる。つまり円ベースでは50%以上の増収なのである。

サムスン電子の幹部は「アイフォーン5(iPhone5)が実質無料で売られている国は日本だけだ。KDDI(au)とソフトバンクがし烈なシェア争いをしており、その勢いにサムスンをはじめアンドロイドの端末は完全に押されている」と漏らす。いずれにしろ、日本人はアップルが大好きだ。日本人が他国を上回る勢いでアイフォーンを買ったからこそ、アップルは減収転落を免れたということもできる。

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