パナソニック、スマホ戦略の憂鬱 ドコモ“ツートップ”の外側でブランド確立に奔走
国内携帯電話市場で、すっかり主役となったスマートフォン。アップルの人気端末「iPhone」を武器に勢いづくau(KDDI)とソフトバンクへの対抗策として、NTTドコモは、この夏商戦で“ツートップ”戦略を仕掛けている。韓国サムスン電子の「ギャラクシー」とソニーの「エクスペリア」というドコモ扱いの中で相対的に人気の高い2モデルに絞って、料金面で優遇するなどの販促を集中的に展開している。
一方、ドコモにスマホを供給しているのはサムスン、ソニーだけではない。いわば“代表落ち”した端末メーカーがある。パナソニックもそのうちの1社だ。
初めてスマホに乗り換える人がターゲット
パナソニックは「ELUGA」(エルーガ)のスマホブランドを持つが、iPhoneやギャラクシー、エクスペリアに比べて知名度は高くない。「(ドコモという)キャリア(通信事業者)の戦略をどうこうは言えないが、スマホ市場でブランドイメージを確立できていないのは事実」。パナソニック モバイルコミュニケーションズの河合篤優・営業企画部長も認める。
この局面を打開しようと、パナソニック モバイルコミュニケーションズが6月15日、ドコモ向けに発売した新型スマホが「エルーガ P」だ。新型エルーガは、液晶画面に直接触れなくても指をかざすだけで反応する機能や、一般的な使用条件で約2日間の利用が可能な大容量バッテリーを搭載するほか、従来型の携帯電話、いわゆるガラケーと同じような文字入力や、片手での操作ができるシステムなどを備えた。
17日からは、俳優の平山浩行さんをイメージキャラクターに起用したテレビCMも放映されている。販促に当たって打ち出したキャッチコピーは、「さらっとスマチェン!」。さらっとスマートフォンにチェンジしよう、というキーワードを掲げて狙うのは、スマホを初めて買うユーザーである。
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