まだある!マンション「共用部」が超絶進化 「住むだけで健康になる」物件も登場

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「プレミスト湘南辻堂」は、最寄り駅の東海道本線「辻堂駅」から徒歩10~11分とやや遠い。そこで瀬口氏は「弱みを強みに変えるにはどうしたらいいか」を考えたという。距離があるということは、歩かなければならない。毎日、単に同じ道を歩くのではなく、これが健康につながっているのだと考えてもらえばいい。そこで、歩いた歩数が確実にフィードバックする仕組みを考え、行き着いた答えが「住むだけで健康になる」だった。

引き渡しは2019年度に入ってから。実際に入居した人に感想を聞くのが楽しみな物件でもある。

地下にゴルフシミュレーター

ゴルフ好きにとって魅力的な施設を備えたマンションもある。たとえば、神戸市で圧倒的な強さを誇る和田興産が2015年5月に竣工した「ワコーレ舞子グランテラス」。山陽本線「舞子駅」から徒歩約9~10分、総戸数143戸という大規模マンションだ。このマンションの地下には、パーティルームに併設する形でゴルフシミュレーターが備え付けられている。

ゴルフシミュレーターは3時間500円で利用できる(写真:和田興産)

竣工当時は兵庫県で初お目見えとあって、地元紙でも大きく取り上げられた。開発者である分譲マンション事業部大阪営業所の石田亮二副課長自身も大のゴルフ好き。「自宅マンションでパーティでもしながら、集まった仲間とゴルフの練習ができれば楽しいだろうなぁ」という発想から、導入を思いついた。

地下に造ったため、容積対象外床面積として扱われ、専有面積を削ることなく多目的室を設置。費用対効果も上った。3時間500円という割安な利用料もあって、週末ともなると必ずといっていいほど予約が入るという。

ただ、過去には共用施設が無用の長物と化してしまった例もある。

都内で営業職をつとめる30代の大橋義明さん(仮名)は、中古でスパ付のマンションを購入した。だが、利用する住民がいないのに、費用ばかりかかるという理由で、入居したその年に理事会で廃止が決まってしまった。「よく考えてみれば、いまはご近所で裸の付き合いをしようと思う人などほぼいない。廃止も当然だったかもしれない」(大橋さん)。

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