「ラストアイドル」が一気に話題になった理由 秋元康プロデュースグループの最新進化

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ラストアイドルは2018年の年明けからセカンドシーズンと銘打ってオーディションバトルからセカンドシングルの争奪戦へと移行したが、引き続き競争が継続される。この手法は大グループとしての団結力とグループ内の対抗心を併存させる巧みなノウハウだ。このような手法がファンを強く引き付ける。

ラストアイドルはデビューシングルの売り上げがビルボード週間ランキングで4位、売上枚数で4万7384枚(初週のみの数字)とAKB48や乃木坂46にはまだ遠く及ばないが、秋元プロデュースの最先端にいるアイドルグループがどのような活躍をするか期待される。

一方、秋元プロデュースの手法は決して手放しで賞賛出来ない状況も見え隠れしている。多くの人が目にした大晦日のNHK紅白歌合戦でのトラブルだ。

紅白で見えた高校野球と秋元プロデュースの類似性

秋元氏はAKB48を高校野球に例えている。完成されたコンテンツを披露するのではなく、メンバーの成長を見せるスタイルだ。AKBなんてどこがいいの?という人は「高校野球なんてプロ野球よりヘタなのに何が楽しいの?」と言い換えれば、多分理解してもらえるだろう。単純に見ている部分が違うということだ。未熟であっても懸命に努力する人を応援する文化が日本にはある。

ただ、高校野球との類似性という意味で、どちらも同じ問題をはらんでいる。近年、高校野球へ向けられる批判が、真夏の甲子園で過密スケジュールの中で高校生に試合をさせて健康面は大丈夫なのか?というものだ。同じような構図が秋元プロデュースのグループにも見て取れる。

先日の紅白歌合戦では欅坂46のメンバーがパフォーマンス直後に過呼吸で倒れる場面があった。センターを務める平手友梨奈さんはコラボ企画で共演した内村光良さんから、パフォーマンスの最中にもかかわらず「大丈夫?」と声をかけられるほどフラフラになっている様子も放送された。

その後の報道では3人がパフォーマンスで過呼吸になっていたが無事回復したと報じられている。2017年に行われた全国ツアーでも平手さんは度々欠席や途中退場を繰り返していたという。そして年明けに発表された武道館コンサートも平手さんの怪我により欅坂46の出演はなくなり、ひらがなけやきと呼ばれる「けやき坂46」が3日間のステージを行う事がすでに発表されている。

ほかにも欅坂46は紅白前にメンバーの1人、今泉佑唯さんの休業も発表している。これも体調不良によるものだが、休業から回復して再度の休業ということで短期間に2回目となる。このような状況にファンも大いに心配しているのではないかと思われる。

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