ビジネスパーソン総クリエーター時代の到来 ITの進化で変わる、ラーニングのかたち(上)

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1. コラボレーターでありネットワーカーである (Active Collaboration)

ハイパフォーマーの多くは仕事だけではなく、直接的な仕事以外のさまざまな社内活動へ高い頻度で参加しているという傾向があった。また現在の仕事に直結していなくても、同じ分野に興味を持つ人とバーチャルネットワークでコネクションを作り、そこからパーソナルな人的ネットワークを拡大することに意欲的であった。

実際ハイパフォーマーの43%は、何か聞きたいときに直ぐに質問できる人が10人以上いると答えているのに対し、標準的なパフォーマーは23%しかいなかった。

またハイパフォーマーの多くは、自分の知識や経験を人に教えたり共有することで、自分の考えが洗練され、透明性が増していくので、自分のためにもなると考えている人の割合が多かった。

2. 学びを人事部任せにせず、自分で舵取りをしている(Autonomous Performance)

ハイパフォーマーの約60%は、自分の仕事、時間、学習機会について柔軟に自己管理ができていると回答している。標準的なパフォーマーからの回答ではその半分の30%以下にとどまっている。

それも、標準的なパフォーマーの69%に対して、ハイパフォーマーの80%は、自分で必要な学習を見極め、選択している(Self-Directed Development)ことがわかった。自分の役割や置かれた状況に応じて、より自律的な時間の使い方をしているということである。

3. 境界を超えて学んでいく(Future Orientation)

ハイパフォーマーは、つねに将来のキャリアを見据えて、そのキャリアを達成するための学習プランについて、標準的なパフォーマーより約3倍も多くの時間を使って考えている。

さらに、こうしたハイパフォーマーは、軸足を今の組織や役割に置きつつも、もう片方の足は次のキャリアや外の世界に出しているような姿勢であることがわかった。基軸となる領域をベースに、その周辺に布石的な行動をとりながら、偶然を必然に変えていく。その過程をワクワク感ととらえるか、不安定ととらえるかで、生き方(とその先の成果)に大きく差がつくということだ。

奇しくも、東京大学の中原淳教授が主張されている「越境学習のポイントはバスケットボールのピボットターン」という理論、つまり軸足を会社に置きつつ、外の世界に触れて刺激を持って帰る行動イメージと重なる。

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