1日2350本の電車を動かす「JR新宿駅」の全貌 埼京線から総武線まで全16ホームを徹底解説

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新宿に集まる各線の平日朝ラッシュ1時間あたりの本数は、ほぼ全線とも8時台が最多となる。1~4番線について見れば南行が埼京線12本、湘南新宿ライン8本で計20本、北行が埼京線15本、湘南新宿ライン6本で計21本。山手貨物線ルートの列車としては、ほかに5番線から成田空港行きのN'EX 1本が加わる。

人工地盤に延びる埼京線と湘南新宿ライン南行の1・2番線。ただし2番線は埼京線の折り返し列車が多く発着(撮影:久保田 敦)

さて、新宿駅の改札内通路は、基本的に地下の北通路、中央通路と、橋上の南口コンコース、オーバークロスする国道20号(甲州街道)を挟んで新設の新南口コンコースと、計4本で構成される。これらの位置関係は“平行四辺形”を如実に反映し、1~4番線は北通路に到達しておらず、中央通路への階段が北端(北通路と中央通路は地下通路でつながる)になる。南口、甲州街道、さらに上部をバスタ新宿とする新南口と続く人工地盤は広大で、12両が収まってしまう。そのため、ホームはさながら地下駅のようだ。逆に南端は新南口のテラス下から代々木方に突き出しており、歩を進めると、昼間はあらためてまぶしさを感じるほど。

また、立地の宿命でホーム北端がややすぼまっており、小田急や京王線との乗り換えも至便な中央通路との往来で混雑が激しい。そこで、15両編成がホームいっぱいに停車する湘南新宿ラインに対して、10両編成の埼京線は2両ほどセットバックした位置を停車位置とし、多少なりとも混雑を回避している。

埼京線電車は緑の帯を巻くE233系7000代と、りんかい線(東京臨海高速鉄道)保有車両は青帯の70-000系。湘南新宿ラインはグリーン車を含む中距離仕様のE231系1000代とE233系3000代。このグリーン車があるため、両ホームにはSuicaグリーン券売機が設置され、今はパスケースからカードを取り出さずに済む、置けば読み取りと書き込みが可能な最新型の装置となっている。

5・6番線

主にN'EXと、東武線直通特急用のホーム。N'EXは一部のみ1時間おきのほかは基本30分間隔で、成田空港行きは早朝から19時台まで、成田空港発の到着は朝9時台から深夜23時台まで。ただし、さすがに朝のピーク時間帯は通勤最優先となり、8時02分発の後、9時39分発までは、間に列車を挟んでいない。30分間隔の時間帯は、池袋発着と新宿発着の列車が交互であり、朝晩の一部は大宮と高尾発着となる。さらに土休日は富士山観光の利便を図った富士急行線直通列車1往復もある。

東武線直通特急は定期4往復で、行楽列車らしく土休日とシーズン用に3往復の臨時ダイヤも確保されている。JRの253系と東武100系スペーシアが相互乗り入れの形で姿を現し、スペーシアの乗り入れ開始時は大いなる話題をまいた。現在でも異彩を放つ。

さて、このホームは、老朽化した国道20号新宿跨線橋架け替え工事とあわせて行われた新宿駅改修工事により実施された中央線ホームの配置入れ替えに際し、一部ホームを使用停止とする期間中の代替ホームとして設置された。当初の目的を果たした後は、臨時ホームとして予備的に使用する予定だった。ところが結果的には、列車本数の増加から特急ホームとして定期列車が使用することになる。しかし、事の経緯からいささか無理を強いて設置したため、位置は1~4番線以上に南に大きくずれ、既存の中央線や山手線ホームとはオーバーラップもしていない。新宿~代々木間の駅間距離は0.7kmと短いため、大げさに言えば、その中間部に位置するとさえ表現できる。

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