1日2350本の電車を動かす「JR新宿駅」の全貌 埼京線から総武線まで全16ホームを徹底解説

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番線表示サインの色は快速ホームのオレンジ色に対して青。これは、中央本線普通列車に使用されていた“スカ色”の115系から導かれたものと察せられる。中央本線普通列車が立川以西での運転となり、新宿に姿を現さなくなってから20年以上を経るが、今でも彷彿とさせてくれる。

特急は到着後、ホームで座席回転と清掃を行って折り返す列車が多く、「○○号、車内整備が終わりましたので、前へお進みください」「XXM、ドア開放」といった放送が流れる。これも、数分間隔で電車が入ってくるホームとは違った時間の流れや距離を感じさせてくれる。

13~16番線

山手線と中央線の各駅停車が方向別のペアで配置され、13・14番線が総武線直通の錦糸町・千葉方面(早朝深夜は東京行き)と山手線内回り渋谷・品川方面、15・16番線は山手線外回り池袋・上野方面と中央線各駅停車中野方面である。早朝深夜を除いて中央緩行線は総武線直通で運転されているため、ラインカラーとしては黄色で表示されている。今や新宿駅では最も古さを感じさせるホームなので、積年の間に煤けている分、明るい黄緑や黄色が対照的に見える。

山手線の内回りと外回りが並ぶ(撮影:久保田 敦)

優等列車があるため十数両編成に対応する中央快速線のホームよりも実質的な有効長は短いので、新南口との接続のために長い通路を人工地盤の下に新設した。薄暗がりの中、加減速が高いために勢いを保った電車が両脇の柵越しに通過してゆく通路は迫力があり、これも現新宿駅の珍しいスポットに挙げられるのではないか。

朝8時台の山手線は外回り21本(7時台が最多の22本)、内回り22本で、中央線快速のように両面発着ができない中で最大限の本数とされている。それゆえ、都市路線として10両編成が一般的な中で全編成が11両編成である。

朝の最大の流れは中央線や私鉄各線から山手線に乗り換えるものだが、もちろん山手線から中央線や地下鉄へも相当の乗り換えがあるため、両ホームは新宿駅の中で最も混雑する。とりわけ外回りホームの混雑が筆頭となる。昨今ドアへの荷物挟まり、急病人の救護などで電車が遅れることは珍しくない。スムーズに流れていた電車の間隔がわずかに狂ったか…と感じた途端、今まで見通せていたホームに整列乗車の列が延び始め、2本目、3本目と積み残しの行列が残ってしまう。するとホームは一杯になり、その間を縫って歩くことも難しくなる。

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