北朝鮮の生活水準はベトナム、インド並み? 当局者が自ら公表、1人当たりGDPは904ドル

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北朝鮮の経済実態は?今回、その一端が明らかに

2011年の1人当たり国民総生産(GDP)は904ドル、発電能力は750キロワットで同年発電量は503万キロワット、穀物生産量は2012年で529万8000トン。北朝鮮の経済状況を示すデータが、北朝鮮の経済専門家から直接明らかにされた。

北朝鮮の朝鮮社会科学院経済研究所の李基成(リ・ギソン)教授が9月上旬、東洋経済など平壌を訪れた日本人ジャーナリストとの懇談の中で明らかにした。北朝鮮側、特に政府関連機関から具体的な経済データが直接出てくるのは、きわめてまれだ。

1人当たりGDPは904ドル、穀物生産は約530万トン

懇談の中で李教授は、2011年のGDPは220億7000万ドル、1人当たりGDPは904ドルになると紹介。さらに、2007年の1人当たりGDPは638ドルとし、「それ以降、年率10%程度の経済成長を遂げていることになる。世界でもこれだけの成長率を記録している国はめずらしい」と付け加えた。

また、電力不足で知られている北朝鮮の発電能力は750万キロワットで、2011年には503万キロワットの発電量となったと言い、「依然として電力に関しては(十分な量ではなく)難しい状況にある」と率直に認めた。

さらに、「農業生産の引き上げに努力しており、食糧問題はまだ楽観を許さない」と前置きしたうえで、2012年の穀物生産量は529万8000トンで、前年比16万トンの増加になったと明らかにした。これまで、北朝鮮に必要な穀物総量は約600万トンと言われており、李教授も「まだ不足しており、一部の穀物は輸入している」と認めた。

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