最多は月19回!「遅延の多い路線」ランキング 埼京線は30分以上の遅れが月3回以上も

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車両・電気設備の故障も大幅遅延の原因に

国交省の調べでは、10分未満の遅延の主な原因は、乗車時間の超過、ドア再開閉、急病人の発生といった部外原因が94%を占める。車両故障や電気設備の故障といった部内原因は6%しかない。一方で、30分以上の遅延の原因については、自殺、線路立ち入りなど部外原因が68%。係員の取り扱いミスや車両・電気設備の故障といった部内原因は23%という結果となった。自殺や線路立ち入りが発生すると安全確認などで運転再開に時間を要するのと同時に、車両や電気設備の故障も長時間の遅延につながりやすいということだ。

朝夕ラッシュ時の混雑問題については古くから国交省も認識を示していたが、遅延問題について真剣に議論されたのは最近になってからだ。いささか遅きに失した感はあるが、遅延を「見える化」することで、各鉄道事業者はこれまで以上に遅延対策に本腰を入れるはずだ。今回と同じタイミングなら年末にも発表される2017年度の遅延ランキングはどのような結果になっているだろうか。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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