中東の超エリートたちが続々と起業するワケ イスラエルの特殊部隊率いた元司令官が語る

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8200部隊司令官時代のヤイール・コーヘン氏。部下から慕われる人柄で32年にわたって国防軍に貢献した

これまで「日本の『サイバー攻撃対策』に募る大きな不安」(12月18日配信)、「日本を舞台に選んだイスラエル起業家の決意」(12月26日配信)と2回にわたって報じてきた「中東のシリコンバレー」とも呼ばれるイスラエルの最前線。短期連載の3回目となる今回は、イスラエルの超エリート部隊を束ねる人物を直撃する。

少数精鋭のエリート集団「8200部隊」

イスラエルでは、国民は男女問わず徴兵制の対象となり、18歳になると男性は3年間、女性も約2年間それぞれ兵役につく義務がある。なかでも、アメリカの国家安全保障局(NSA)に匹敵する諜報機関である「8200部隊」には、早くから目を付けられたほんの一握りの優秀な学生が配属され、超エリートの少数精鋭部隊としてサイバーセキュリティや諜報活動などを遂行することになる。

そもそも、「8200部隊」の存在はこれまでベールに包まれてその実態は明らかにされてこなかった。しかし、最近は国家としてイノベーションを推し進め、テクノロジーやサイバーセキュリティ分野において強固な存在感を世界へアピールする際の重要なキーワードとして、その名が公に広く使われるようになってきた。

現に「8200部隊」での厳しい訓練と実務経験を経た後に、その経験を生かして起業する若者は後を絶たない。今や、優れた起業家や技術者を輩出する土壌や、卒業生の強固なネットワークなどはハーバード大学に匹敵するとまで言われている。

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