メルカリ「即時買い取り」、CASHと何が違う? フリマとの「使い分け」ニーズを掘り起こす
「撮影するだけ、今すぐおカネに!」
ブランド物の服や靴、バッグなどをスマートフォン一つで簡単に換金できる「即時買い取りサービス」がにわかに人気を集めている。年末の大掃除シーズン、不要品を処分するのに活用してみたいと考えている人も多いだろう。
使い方は非常にシンプルだ。アプリを開き、おカネに換えたい商品のブランド名、ジャンルや素材、新品かそうでないかなどについて、提示される選択肢に従って入力していく。最後に写真を撮影すれば、すぐに査定金額がはじき出される。金額に納得すれば取引成立。即時に現金へと換金可能な「売上金」を得られる。
サービスによって異なるが、商品は数週間~2カ月ほどの間に運営側に発送する必要がある。取引が成立し売上金を受け取った後にキャンセルをすることも可能だが、運営側に売上金を返還するのに加えキャンセル料が発生する。
「CASH」が証明した潜在需要
即時買い取りサービスの火付け役になったのは、ITベンチャーのバンクが今年6月に始めた「CASH(キャッシュ)」。開始まもなく、約7.2万個のアイテムが“キャッシュ化”され、換金総額は約3.6億円に到達。想定を上回る勢いで利用が集中したため、開始から16時間でサービスを一時停止することとなった。
運営側の詰めの甘さを露呈する事態にはなったものの、CASHは即時買い取りに巨大な潜在需要があることを証明した。これに目を付けたDMM.comは11月、バンクを70億円で買収。サービス開始から間もない、社員6人の会社に破格の高値が付いた。
もう1社、この新しいニーズに即応したのがフリマアプリを運営するメルカリだ。11月末、「メルカリ」のアプリ内に即時買い取りの新機能「メルカリNOW(ナウ)」を新設。フリマ自体も不要品を簡単に売り買いできるサービスとして成長してきたが、「もっと手軽にモノをおカネに換えたい」という需要も取り込むべく、新たなサービスを追加した。
CASHは買い取った商品をオンライン・オフライン両方の中古市場で転売する一方、メルカリナウの場合、買い取ったものはメルカリのフリマで売却するという。
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