「大の大人が大騒ぎをして、結局は何も起きない。結局、米国のオバマ大統領は何がしたかったんだ?」
この晩夏に世界で起きた一番の出来事といえば、何といってもシリアにおける「化学兵器問題」であった。かねてより「アサド政権側が化学兵器を使用し、無垢な市民を殺害している」と“リーク”されてきたが、「8月21日に1400名以上が大量虐殺された」と西側大手メディアが一斉に報道したことで事態は急変。ついにはオバマ大統領が8月31日に演説を行い、「軍事介入を決意した」と国民、そして全世界に対して宣言するまでに至った。
シリア早期開戦がない、と判断できた理由
だが、私は実は8月22日夕(日本時間)の段階から「早期開戦はない」と判断し、その旨の分析を提示していた。なぜそのように判断できたのかといえば、理由は簡単だ。実はこの日の夕方、大量の「ドル買い」を米欧の越境する投資主体たちがマーケットで入れ始めたからである。しかも期間は3カ月から6カ月にわたる長期のものであった。
ここでまず読者の「思考の枠組み」を整えておかなければならない。わが国では俗に「有事のドル」という。つまり国際社会で軍事紛争ともなれば、これを収められるのは米国であり、超大国である米国は必ず勝つので「米ドルは上がる、だから買っておくべき」というのだ。
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