JAL先行、ANAが追う国内線Wi-Fi競争の行方 短距離路線のサービス差別化で試行錯誤続く
多くの企業が年末年始の休暇に入り、これから帰省や旅行で飛行機を利用する人は増えそうだ。機内で帰省先の家族や親戚と連絡を取ったり、旅行先のことを調べたり、空の上でもインターネットを使いたいというニーズは少なくない。
全日本空輸(ANA)は12月20日、2018年4月から国内線での機内Wi-Fiインターネットを無料化すると発表した。eメールやメッセージングアプリなどのSNSでのやり取りには不自由ない程度の通信速度があるという。
ANAの国内線機材のうち、Wi-Fi設備を備えているのが約70機。設備の取り付けが可能な機材の約7割を占める。2018年度末までにはこれを100機まで拡大、国内線対象機の9割を超える計画だ。
JALのWi-Fi「多い便では半数が利用」
だが、ライバルの日本航空(JAL)はすでにWi-Fi無料化に手をつけていた。国内線対象機全機へのWi-Fi設備の取り付けを昨年完了させ、今年2月に無料化を期間限定で開始。6月に”永年無料化”を発表した。アイドルグループの「嵐」を起用した大々的な宣伝を目にした人も多いだろう。
JAL 商品・サービス企画本部開発部の江幡考彦・客室サービスグループマネジャーは、「羽田発着の幹線(大阪、札幌、福岡、沖縄など)では半分くらいのお客様の利用がある。時間で言うと、月曜日や金曜日の夕方に利用が多く、出張や単身赴任のビジネス客が多いようだ」と分析する。
ANA側もいち早くWi-Fiを無料化したJALの動向に注目していた。「実際にJAL機に搭乗し、Wi-Fiの使い勝手や機内の様子、周囲の乗客の会話を確認した。企業にもヒアリングを行い、さまざまな世代にWi-Fiのニーズが十二分にあると感じた」(ANA マーケティング室レベニューマネジメント部の小別当浩司・国内チームマネジャー)。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら