老人大学で英語も!韓国ジジババの育児地獄 共働き子供夫婦を助け、孫の面倒見1日9時間もザラ

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孫を育てるために、積極的に学ぼうとする祖父母も増えた。ソウル市に住むキム・ムンスクさん(女、57)は、今年初めから区役所が運営する「老人大学」で英語を学び始めた。アルファベットもよく知らなかったキムさんが英語を勉強しようと決心したのは、3歳の孫のため。幼稚園に入園したら英語を学び始めた孫に対し、完璧ではないけども基本的なことを教えたいと考えたためだ。

「老人大学」の英語教室に出席する祖父母も、孫と英語で話してみたいという人が多いという。キムさんは、「最近でも同世代の集まりに顔を出せば孫の教育の話ばかり。老人大学でどの教材がいいという情報を聞いたら、こっそり本を買い与えている」と笑う。前出のパク・ジュヨンセンター長は「祖父母にとっては、最初は嫌々ながら始めた孫の面倒であっても、やり始めたらきちんとやりたいという考える人が多い。今後もそんな彼らを応援する多様なプログラムを用意したい」と言う。

孫と祖父母をねらったマーケティングも活発

孫の育児が増え、大型書店でも育児に関する書籍がよく売れている。書籍販売を手掛けるYES24によれば、昨年に60歳代が読者対象となる本のベストセラー1位は小児科に関する本、2位は離乳食に関する本だった。現職の小児科医が赤ちゃんの緊急事態への対応と離乳食に関する百科事典のような内容の書籍だ。

育児用品市場でも、販売対象が母親から祖母に移りつつある。通販業者も祖父母らがテレビをより多く視聴する平日午前中には赤ちゃんなど子ども向け教育用品を出すようになった。通販業者の一つ、GSショップ関係者は「最近、赤ちゃん向け教育用品を購入する50、60歳代の顧客が増えている。この状況を考えて、これらの商品を紹介する画面には字幕なども配慮して普段より大きい文字で示すようにしている」という。 

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