ドアラのディナーショー、転売業者の狂騒曲 運営停止「チケキャン」をミクシィは正せるか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ディナーショーは、球団の地域貢献活動の一環であるヤクルトのマスコット・つば九郎の企画イベント「つばさんぽ」番外編という位置づけだ(編集部撮影)

「ドアラ&つば九郎ディナーショー 発売と同時に完売」――。

11月12日、日刊スポーツが、ヤクルトスワローズのマスコット・つば九郎と、中日ドラゴンズのマスコット・ドアラによるディナーショーのチケットが、発売と同時に完売したことを報じた。このディナーショーは、2015年12月25日に名古屋で初めて開催され、2016年は名古屋(12月23日)に加え、東京(12月25日)にも拡大。さらに2017年1月20日には千葉ロッテマリーンズのマスコット・マーくんも加わった、3人でのショーが千葉で開催されている。

3年目の今年の冬はもう1公演増え、12月23日に名古屋、25日に東京、年明け1月14日に千葉、1月21日に福岡でも開催される。千葉は昨年同様の顔ぶれで、福岡ではつば九郎、ドアラに福岡ソフトバンクホークスのマスコット・ハリーホークが加わる。ホテルのディナーショーだから、当然ホテルのディナーが付く。チケット代は福岡のみ1人1万8000円で、残る3公演は2万円と、決して安くない。

各会場定員は500~550席。チケットはすべてインターネット販売で、名古屋公演が11月11日の午前10時、東京公演が同日午前11時だった。千葉公演が翌11月12日の午前10時、福岡公演が同日正午発売だったのだが、名古屋、東京は一瞬、千葉と福岡は3分で完売したのだ。

発売6分後から始まった出品

筆者も時計の秒針とにらめっこをしながら待機し、4公演全てにトライしたが、回線がつながった時には完売していた。そして案の定、発売直後から国内最大規模のチケット取引サイト「チケットキャンプ」への出品が始まった。このディナーショーが、チケットの高額転売を生業にしている、チケットゲッター(以下ゲッター)の標的になったのは明らかだ。

最速は名古屋公演の11日午前10時6分。発売から6分後の出品である。次が千葉公演の12日午前10時9分。

出品者をチェックしてみると、やはり3~5週間程度で100件以上の取引を成立させ、「良い」評価を得ている「評価99+」の出品者が目立つ。複数の公演のチケットを出品している出品者もいる。

出品のタイミングもよく考えられていて、落札金額を見ながら小出しに出品していることが手に取るようにわかる。結局12月7日にチケキャンが突如サービスを休止するまでの間に売買されたチケットは合計100枚弱。4公演全体の5%程度に留まった。

公演日が近づくにつれて出品されるはずだったチケットが、突如出品の場を失ったのだとすれば、公演当日に不自然な空席が発生することもありうる。反社会的勢力の支配下にあったかつてのダフ屋とは異なり、ゲッターは基本的に一般人と言われる。人気の高いチケットを仕入れ、出品し、発送する。それを3~5週間で100件以上こなすとなれば、働きながらの両立は不可能だ。

次ページゲッターたちの購入体制とは
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事