ユニーは、なぜ「驚安ドンキ」と手を組むのか 提携話を聞かされたユニー社長の本音とは?

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苦戦が続くユニーの衣料品コーナー。ドンキ流の改革はどう反映されるか(ユニー・ファミリーマートHD提供)

――ドンキのどのような点を取り入れたいと思っていますか。

ユニーは会社設立から47年、大企業病で、時代の変化の中で闘争心が少しうせてきている。彼らは28年という歴史の中で闘争心を維持している、こういう差があると思う。いま一度、商売や数字、売り場作りに対する執着心や、お客様ニーズのくみ上げといった原点に戻ってやっていくことが、ドンキと組む大きな意義になるだろう。

GMSの衣料、住居関連品は落ちてきているが、ドンキはここをまだ維持している。特に住居関連品はドンキに勉強しようということを、実は提携以前から言っていた。彼らは個店経営、現場主義と言っているが、店舗主体で商売ができる環境を進めるためにはどうするか、そのオペレーションの仕方を学び取ることは非常に重要だ。

ユニー社内は衝撃を受けた

ドンキの衣料品コーナーでは大きなPOPが目に付き、消費者の関心を引き付けている(ドンキホーテHD提供)

また、ユニーがやめてしまったカテゴリーでドンキは儲けている。たとえば携帯電話用アクセサリーの品ぞろえは圧倒的。利益の出る売り場のみを残してきたのがGMSなのに対し、ドンキは、世間がやらなくなったカテゴリーを、自分たちのものにして利益を上げていく。こういった徹底度も取り入れていきたい。

――2018年2月からユニーの6店舗をドンキとのコラボ店舗に転換していく計画ですが、どのように売り場を変えていくのでしょうか。

6店舗については、われわれの勉強の場にしたいと思っている。ユニーが強みとする生鮮の仕入れや売り場作りはユニーが行うが、基本的に店舗はドンキに見えると思う。表面的な部分だけでなく、内面的な部分からユニーの従業員が考えながらやっていく必要がある。7店舗目から新業態として、もっと飛躍できるような店舗にしていきたいと考えている。

――提携の発表時、ユニーの社内では動揺も広がったのでは?

正直言って、私が思っているより最初は衝撃を受けているようだった。やはり4割の資本が入るということは、ユニー従業員も取引先も消費者も重く受け止めていたようだ。

ただ、小売業は売り場を作り、多くのお客様にご来店いただくというのが一番の仕事。従業員にとって、客数が増え、売り上げが上がる。これをきちんと見せるということができれば、安心すると思う。

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