「時給30万円稼ぐ」という時代はやってくるか タイムバンクが狙う「個人の時間価値」の復権
時給100万円を超える人も現れる
――タイムバンクでは、高い人では1秒100円を超える人が複数出てきていて、時給に換算すると30万円以上になります。一番低い人でも今のところ1秒3円を切る人はいません。事前の予想では、ここまで高くなるとは考えていなかったでしょうか。
数字もユーザーの行動も、ほぼ事前の予想通りでした。個人が持っている時間の価値は、これまで低く見積もられすぎていたと思います。労働についての評価は特殊で、あくまで現時点での、その瞬間の価値しかないとされています。つまり、その人に対する未来への期待というものは織り込まれていない。ところが、企業はそうではありません。
企業の株価は、利益を出せると一気に5倍や10倍に高騰することはよく見られる現象です。将来の成長率への期待を加味して株価収益率(PER)も出ていて、未来も含めて評価されています。しかし、個人については今後の活動に対する期待値を含めて、未来の価値を割り引くという発想になっていない。
一度会社に就職してしまったら、低額で固定されてしまいます。普通に会社に勤めていれば、すごく頑張って成果を出したとしても、給料が突然5倍や10倍になったりはしませんよね。個人の時間には価値があるにもかかわらず、会社がなぜ安く買えているのかといえば、それは価値を比較する場所がなかったからだと思います。
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