超難関!インド系インターに娘を入れた親心 元リクの母、元野球選手の父のサバイバル教育

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将来、子どもに苦労をさせたくないというのが、万国共通する親心。では、グローバル化する社会で強く生き抜くには?この問いに答えられる親がどれだけいるだろうか。
そのヒントがあるとしたら、グローバルにキャリアを積む親たちの子育ての中だろう。いったい彼らは家庭において、どんな子育て、教育をしているのか。
この連載では、ジャーナリストや外交官、また専業主婦など多様な経歴のママたちで結成された「グローバル・ママ・ネットワーク(GMN)」のメンバーたちが、”強く生き抜くための”グローバル教育の最前線を取材する。
高橋亜紀子(たかはし・あきこ)
青山学院大学卒業後、リクルート入社。高級日本食レストランNOBUの店舗アルバイト。米系IT企業での貿易実務を経て、現在はマツヒサ ジャパン マーケティング責任者として、NOBUの食器開発、海外への調達を担当。世界30カ国、120人とやり取りしながら、グループのトップNobu Matsuhisa との打合せ、ノブ東京や取引先とのアポイント以外は在宅で仕事する事も多い。海外のNOBU店舗に出張する際は、なるべく子どもを連れて行き、世界の都市 の現状を見せるようにしている。(写真後列左より高橋亜紀子さん、福本もあさん、前列は福本在くん)

小学校6年生なのに、もう、指数を使っている。a(x+y)=ax+ayといった計算も当たり前のように登場する。福本もあさん(12歳)に学校で使っている教科書を見せてもらったら、学習進度に驚いた。最近の小学校はカリキュラムが変わった、というわけではない。もあさんが通っているのは、日本の小学校ではなく、インド系のインターナショナルスクールだ。

実際、その内容を聞くと、ずいぶん高度なことをやっている。しかも書く量が多い。中学校はそのまま同じ学校に進学するのでいわゆる受験勉強はしない。それでも毎日帰宅後に2時間半、机に向かう。将来は「海外の大学に進学したい。鉱物が好きなので、世界とやり取りしながらジュエリーを扱うビジネスをしたいです」と夢も明確だ。

偶然訪問したインターに、まさかの一目ぼれ

近年、日本でインドの教育が脚光を浴びている。小学生でも2桁の数字の掛け算ができるといったハイレベルな教育が、「ゆとり教育」の弊害に直面した日本の親たちをひきつけているからだろう。

とはいえ、両親ともに日本人で、普通に小学校3年生まで地元の公立小学校に通っていたもあさんが「インド系インター」に進学したのは、約3年前の偶然がきっかけだった。

「当初は中華系の学校を考えていました」と母親の高橋亜紀子さんは振り返る。亜紀子さん自身が海外と接点の多い仕事をしており、新興国の成長を日々感じていたため、中華系学校への進学は、自然な選択肢だった。忙しい夫がようやく休みが取れたある日、家族で学校見学に出かけた。ところが、目当ての中華系学校は休みで見学できなかった。

せっかく作った時間。家族は「学校見学したい気持ち」に満ちていた。そこで、何となく知っていたインド系インターナショナルスクールに「だめもとで」連絡してみた。見学してもいいと言われ、すぐに足を運んだ。

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