NASAも活用するSlackは何がスゴいのか? 黒船コミュニケーションツールが日本上陸

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だがそんな中でも「元々はゲームの一部であり、全くの偶然の賜物で誕生したFlickrが多くのユーザーを獲得しました」(ヘンダーソンCTO)。この経験から、「どんな状況から画期的なアイデアが生まれるかは未知であることを学びましたし、企業経営の失敗から得た経験は現在のSlackの経営にとても役立っています」(同)。

Slackは「企業利用」で力を発揮する

二人が新たに開発したSlackが、何故急速にユーザー数を伸ばしているか、その理由を見ていこう。

Slackは「チャンネル」と呼ばれるグループを作成してチャットをする機能や音声・ビデオ通話をする機能、通知機能などを備えたコラボレーションツールだ。これらの機能だけ見ると、日本でも浸透している個人が使うSNSや企業が使うグループウェア、テレビ会議システムなどと機能が近いように思える。

ヘンダーソンCTOは11月に渋谷で開かれたTechCrunch Tokyo 2017にも登壇

この点についてヘンダーソンCTOは「コミュニケーションの機能だけで比較した場合は、他にも似たツールが多くあります。実際にそうしたツールから使い勝手の面でインスピレーションも受けています。一方で、SlackにはSNSとしての機能も備えているので、社員が仕事にプライベートなSNSを使うことによって起こる問題も解消できます」と話す。プライベートと仕事の境界線の引き方、退職後のアカウントの管理などもSlackであれば容易だ。

だがそのうえで、「大きく異なるのは、企業内で使うさまざまなアプリケーションと連携して動作し、作業を効率化できる点です」(ヘンダーソンCTO)とする。しかも、その結果Slack利用企業1629社のアンケート調査によれば、「企業の生産性を平均32.0%向上している」という。

インタビュー後編では、他のコラボレーションツールと大きく異なるSlackの特徴や、急速に企業での利用が拡大している背景に迫る。

後編はこちら

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