NASAも活用するSlackは何がスゴいのか? 黒船コミュニケーションツールが日本上陸

拡大
縮小

冒頭で「上陸前からすでに日本の一部ユーザーは使っていた」と書いたが、実はこれはかなりの数に上っている。ヘンダーソンCTOは「日本にはすでに多くのユーザーがいました。日本はわれわれの年間経常収益のうちアジアで1番、世界でも3番目になっています」と説明する。つまり今回の日本語版の提供は、すでにに加速度的に増えていた日本でのユーザー数を、さらなる勢いで増やすための施策というわけだ。2018年には日本で本格的なオフィスも構える計画だという。

過去のビジネスの経験を踏まえて誕生したSlack

Slackは、カナダ人のスチュワート・バターフィールドCEOとヘンダーソンCTOが共同で設立した企業だ。バターフィールドCEOは、ルディコープを創業して後に世界最大のウェブサービスの一つとなる写真・動画の共有サイト「Flickr」を2003年にスタートした経験を持つ。バターフィールドCEOはルディコープを05年にYahoo!に売却し、その後もさまざまな事業を手掛けてきた。ヘンダーソンCTOもFlickrの技術開発を指揮しており、2人は長年に渡りビジネスのパートナーとして活動してきた。

Slack
カル・ヘンダーソン
CTO兼共同創立者

ヘンダーソンCTOは「これまでに企業経営で多くの失敗をしてきました。幸いなことにSlackではまだ大きな失敗はしていませんが」と笑う。Flickrは元々、新しいオンラインゲームを開発している際にそれを支える基盤技術の一つとして開発したものだったという。「そのゲームの開発には4年間を費やしましたが完成させることができませんでした。会社を閉じることになって、多くの社員を解雇しなくてはなりませんでしたし、私自身も何をしたらいいのかわからなくなりました」(ヘンダーソンCTO)。

次ページ偶然生まれたFlickrと、その糧を活かしたSlack
お問い合わせ
関連ページ
「生産性32.0%向上」というSlackの正体
コラボレーションツールがビジネスを快適に
DeNA×Slackが目指す「別次元の働き方」
全ての業務をSlack上に集約する流れに
メール不要?Slackで「会話」が変わる
「場に発言」することがもたらす効果とは?