役員との年収格差が小さい500社ランキング

社員以下の報酬をもらう役員は53社

業績不振だけが要因でもない(写真:bee / PIXTA)

11月24日に配信した「社員と役員の年収格差が大きいトップ500社」には、多方面から反響が寄せられた。

欧米では高額な役員報酬が社会的な問題として指摘されるが、日本企業の役員報酬も近年は高額化している傾向がある。一方で、上場企業の中には役員と社員の年収格差がないどころか、従業員の給与のほうが高い会社もある。

今度は年収格差が「小さい」上場企業のランキングを紹介しよう。上場企業の役員報酬平均額と従業員の平均賃金の格差に注目し、役員が従業員の何倍の年収を得ているかを倍率にした「年収格差」を小さい順に上位500社を並べた。

ランキングに使用した役員平均報酬は、取締役(監査等委員会設置会社の監査等委員も含む)と、執行役の平均額で算出したもの。監査役設置会社の監査役や社外取締役の報酬額は含んでいない。定額部分と業績連動部分、退職慰労金の全てを合算した合計額で計算している。単年度ごとに調査しているため、調査年度に取締役の退職があると、例年に比べて平均額が上昇する場合がある。

ランキングは単体の従業員数が30人以上の会社で、役員報酬額と、従業員の平均年収の金額が両方とも開示されている会社3398社を対象としている。倍率でみて1倍以下、従業員(社員)より安い報酬にとどまる会社も52社存在した。

本ランキングで上位に登場した会社には、大きく2つのタイプの企業がある。1つはシンプルに業績が低迷しているケースだ。経営責任のある役員報酬は、業績の良し悪しの影響をシビアに受けるため、業績が悪化していれば、従業員以下の報酬さえ覚悟しなくてはいけない。

もう1つは業績とは関係ないケースだ。有価証券報告書では単体の役員報酬の総額のみ開示が義務付けられている。例えば、上場しているのが持ち株会社で、報酬の大部分は傘下の事業会社からも支払われているケースだ。傘下の事業会社分は開示されないため、その実態を読み取れないことがある。

親会社や子会社から別途に報酬を得るケースも

1位になったシード平和は、京阪地域を地盤としてマンション・戸建ての販売やホテル運営を行う企業で、業績は堅調。2015年5月に、三栄建築設計の連結子会社となった。代表取締役社長の小池信三氏は親会社の三栄建築設計の社長も担う。小池氏の報酬は、シード平和が支払う報酬のみで平均すると100万円の報酬ということになるが、実際には親会社からも報酬を得ていると考えられる。

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2位の小僧寿し。持ち帰り寿司チェーンの「小僧寿し」を展開する。運営するチェーン店のリブランドや新メニューの開発を試みているものの、赤字基調から抜け出せていない。連結ベースの従業員の減少傾向にあったが、従業員数は2015年度の31人を底にやや改善し、2016年度は56人まで回復した。ただし役員報酬の低空飛行は相変わらずで、役員平均報酬額は昨年の220万円から100万円に減少した。業績低迷のために役員報酬が低く抑えられているパターンだと考えられる。

3位の飯田グループホールディングスは、戸建て住宅が主力の不動産会社6社が、経営統合して誕生した持ち株会社。ホールディングス単体から支払われる役員報酬が少ないため、ランキングでは3位となった。別途、有価証券報告書の注記では子会社を含めた連結ベースで1億円以上の役員報酬を得ている取締役がいれば、開示を義務付けている。その1億円以上の役員報酬に注目すると、代表取締役会長の森和彦氏が子会社6社から合計1億8700万円、取締役相談役の山本重穂氏が1億1400万円の報酬を得ていることがわかる。

持ち株会社では、同社のように、単体の報酬額としては集計されないが、実質的な報酬は有力事業会社から支払われているケースがある。

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