「首都圏大手私鉄」急行や快速の停車駅戦略 ほとんど1駅おきに停まる「急行」もある

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東武スカイツリーラインを走る「区間準急」。同線には特急以外に種別が5つある(写真:tarousite / PIXTA)

列車に乗っていると目にするのが路線図だ。複数の種別がある路線、特に私鉄各社の場合は列車種別ごとの停車駅も掲載されており、普通列車しか停車しない駅や、快速や急行、特急などが停車する駅がひと目でわかる。

筆者は東京圏のさまざまな鉄道を利用することがあるが、乗車していると路線によってさまざまな停車駅のパターンがあることが見えてくる。では、そのパターンは各線でどのように違い、それぞれにどこが優れているといえるだろうか。各社の路線図と時刻表を照らし合わせながら、列車種別と停車駅のあり方を考えたい。

3通りの行先・5つの種別

多くの路線では、特急や急行など、複数の優等列車を運転している。停車駅のパターンとしては、主に長距離を走ることが多い優等列車を主要駅のみの停車として速度を向上させる一方で、これらの列車が通過する駅の利便性も確保できることが理想的だ。だが、後者の利便性を確保するために普通列車を増やすと、今度は優等列車の足を引っ張ることにもなってしまう。

これを両立させるために最良の方法は、優等列車と普通列車の線路を分けた複々線だ。東武スカイツリーラインは、北千住―北越谷間の約18.9kmが複々線となっており、これは私鉄最長だ。

同線を走る列車は、東京メトロ日比谷線に乗り入れる列車、東京メトロ半蔵門線に乗り入れる列車、そして浅草へ向かう列車と、3通りの行き先を持っており、種別は特急を除いて5種類ある。一見複雑だが、日比谷線直通は普通、半蔵門線直通は急行・準急、そして浅草行きは区間急行・区間準急と、行先によって種別が分かれているためわかりやすい。また、複々線区間の越谷―北千住間では優等列車の停車駅はすべて同じであり、全体的にはシンプルな停車パターンといえる。

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