なぜあなたの周りには、嫌いな人が多いのか

社内の人間関係に悩んでいる人たちへ

 戦略コンサルタントを経て、現在、投資ファンドで地方の中小企業の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「事業の収益構造」といった堅い話から、 「どのように社員のやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。

企業再生に向いている人

あるベンチャー経営者が言っていました。

「創業して何がよかったかと言えば、一番は好きな仲間と仕事ができることかなあ」

離職理由で一番多いのは、古今を問わず社内の人間関係だそうで、私はそれを聞いて確かにそれは魅力的なものだなあと感じる一方で、もしかしたら企業再生の適性を左右する部分はここにあるのかもしれないという気もしました。

企業再生というのは、すでに体をなしている会社に飛び込んでいくものなので、一緒に働く仲間を基本的に選べません。所与です。でもそこから一緒に仕事をしていく中でだんだん好きになっていく(好きにならないといけない)。そして自分も変わっていき、相手も変わっていく。そこに醍醐味があります。

もちろんどちらが良いとか悪いとかいう話ではなく、単なる環境条件が招来させる違いの話です。私はどちらかというと淡泊というか、あまり物事の好き嫌いがない方で、そういうメリハリのない性格を弱みのように思っていましたが、この性格的部分はもしかしたら企業再生においては知らず知らず強みになっているのではなかろうかと最近思っています。

思い返してみると、私は嫌いな人というのをあまり思いつきません(苦手な人はいないわけではないですが…)。それは周囲の環境に恵まれているのもあるかもしれません。きっとそうでしょう。でも誤解を恐れずに言えば、周りに嫌いな人が多い人は「相手ではなく自分に」原因がある気がします。

この連載で一貫して述べている事ですが、人間は「良い人」「悪い人」のような単純な二元論でくくれるようなものではありません。そうではなくて一人の中に「良い面」「悪い面」が混在しているものだと思います。完全に良い人、悪い人というのは幻想で、見る方向によってその良し悪しは大きく異なります。

「他人の意見に流されず自分の意見をはっきり言う素晴らしい人だ」というのと「他の人の意見を聞く耳を持たない自己中心的な人だ」というのは一つの事象から想起される同一人物を表現していますが、解釈は真逆でもあります。

結局その人が良いか悪いかというのは本人の問題ではなく、受け手がその人をどの方向から見るかにかかっているのではないでしょうか。

下世話な噂話も含め、人の話題になると必ず否定から入る人がたまにいますが、それはとてももったいないことだなあと感じます。批判精神は重要ですが、こと人間関係においては悪いところを探すのではなくて、良いところを探すことから入ることがとても重要だと思います。どんな人でも悪いところは探せば見つかるし、同時に良いところも探せば同じくらい見つかるものです。

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