「オーナー経営者」の頭の中を探ってみる

絶対権力者の生態を考察する

  戦略コンサルタントを経て、現在、会津のバス会社の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「バス会社の収益構造」といった堅い話から、 「どのようにドライバーのやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。

オーナー経営者という絶対権力者

株主は必ずしも、企業の成長に直接的に貢献しているわけではないと思います。いきなり暴論から入っていますが、別に個人的な恨みを株主にぶつけているわけではありません(笑)。

たとえば一部の個人株主。筋のよさそうな会社を『会社四季報』で探し、適正株価を試算し割安であれば買い、上がれば売る。単純化すればその繰り返し。いつ売るかいつ買うかという売買のタイミングが興味の中心であり、会社を保有しているという意識や成長に主体的に貢献するという意識は、極めて希薄なように思います。何のことはない、自分が以前、株式をやっていたころのマインドは、しょせんこんなものでした。

ただし、そうは言っても一面的にはこのシステマティックな現実が、市場に参加する個人投資家にとって最も効率的なのも事実ではあります。でも今回、その中身に踏み込んで議論するつもりはありません。

私が今回テーマにしたいのは、かつての私のような移り気な個人投資家とは真逆の存在、同じ投資家の中でもまったく別のマインドを持つ存在についてです。その存在は、いつ買うかいつ売るか以前に、所与として大量の株式を持たざるをえず、ある意味では会社と一蓮托生の存在でもあります。

今回テーマにしたいのは「オーナー経営者」です。

「オーナー経営者」とは要するに絶対権力者です。会社を保有し、同時に経営者として自らが会社の権力の中枢にあります。「オーナー経営者」と一言で言い表すと、その響きから醸し出されるイメージは強烈です。ただし、もう一歩踏み込むと、そのイメージは一変します。

今回は、そんなオーナー経営者(たち)に俗物である自分が触れた経験から、自然体で感じたことを書き連ねていきたいと思います。

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