イラン内部で権力闘争が再燃し始めている

米トランプ大統領の核合意「否認」受け

「両国が言葉の応酬だけで済ませている限り、関係は平常通り続く」と、Leylaz氏は言う。

ロウハニ大統領は制裁解除後、主要産業の石油産業に対する約10年の規制で荒廃した経済の立て直しに取り組み、海外投資家を歓迎してきた。

だが欧州の主要投資家も、イランと米国の緊張が高まり、合意存続が一層危ぶまれるようになれば、イラン投資を再考する可能性がある。

「米国が承認する政治合意という安心がなければ、欧州企業はストップをかけるだろう」と、仏外務省高官は言った。

核合意の発効後、対イラン投資計画を発表した欧州企業には、航空機大手エアバス<AIR.PA>や、仏石油ガス大手トタル<TOTF.PA>、独総合エンジニアリングのシーメンス<SIEGn.DE>などが含まれる。

長年イランの代理戦争を中東地域で戦ってきた革命防衛隊について、ハメネイ師の「腐敗した個人の治安集団であり非正規軍」だと述べたトランプ大統領の発言は、イラン政府を激怒させた。ロウハニ大統領は、イランは常に革命防衛隊を支持すると述べた。

ロウハニ路線は崩れかねない

トランプ大統領の敵対姿勢により、イランが地域における振る舞いを変えることはないと、複数の政府高官の見方は一致している。地域政策は、ハメネイ師の決定事項だ。だがもしトランプ氏が脅しを実行に移せば、「イランは、より強硬で攻撃的な地域政策を取るだろう」と、イラン政府の意思決定に通じた高官は述べた。

イランとライバル関係にあるサウジアラビアは、中東地域の緊張を高めていると、互いを非難している。シリアからイエメン、イラク、バーレーン、レバノンまで、アラブ世界の争いにおいて、スンニ派王政のサウジアラビアとイランのシーア派革命指導者は対立している。

社会政策上では、個人の自由と権利に対する規制緩和を志向するロウハニ路線は、もし大統領が権威を失えば、強硬派によってつぶされるだろう。強硬派は、司法や治安機関、国営メディアを掌握している。

「国外で圧力が高まると、政権は国内で締め付けを強めて反対派を黙らせてきた」と、かつて中道派だった政府高官は言った。

(Parisa Hafezi 翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)

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