大量の「偽装日本人」が、安全保障を揺るがす

増加の一途をたどる「二重国籍」の根深い問題

長らく放置されている「二重国籍」問題をご存じですか?(写真:ziggy / PIXTA)

1年を振り返るこの時期、恒例の流行語大賞が発表され、大賞には「爆買い」と「トリプルスリー」が選ばれたが、一方で「アベ政治を許さない」「SEALDs」といった安全保障法案関連の言葉も目立った。

その安保法案は今年9月、強行採決され成立した。日本は集団的自衛権を行使しうる国になったわけだが、一連の法案審理の過程でまったく議論されなかった問題がある。「二重国籍者」と「偽装日本人」の問題だ。

一般にはあまり知られていないが、日本の国籍と他国の国籍を同時に持っている、いわゆる二重国籍者の数は、推定で40~50万人と言われ、年々増加の一途をたどっている。

もしも海外の紛争地帯で取り残され、救出が必要な人物が、日本国籍と敵国の両方の国籍を持っていた場合、この人物を「邦人」として救出するために、日本は集団的自衛権を発動するのだろうか。外国から攻撃を受けているアメリカの艦隊に、日本に生活基盤がない日米二重国籍者が乗っていた場合、どう対応するのだろうか。

日本国のパスポートを所持しているものの、実は日本国籍を有していない偽装日本人だったら、この問題はさらに深刻になる。

外国籍を自ら取得すれば、日本国籍を喪失するはずだが

イギリスやフランスなど、国によっては二重国籍を認めている国もあるが、日本の国籍法は二重国籍を認めていない。

日本の国籍法は、二重国籍者は、一定期限内にどちらかの国籍を選択しなければならないと規定している。また、もともと日本国籍を持っていた人が、自らの意思で外国籍を取得した場合は、その時点で自動的に日本国籍を喪失すると規定している。自らの意思で外国籍を取得する行為とは、他国に帰化したり、他国の市民権を得たりすることを言う。

ちなみに、米国のグリーンカードを日本国籍者が取得しても日本国籍を失わないのは、グリーンカードは永住権であって、選挙権を持つ市民権とは異なるからだ。

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