仕事のできない人は「アポ取り」がなってない 「課長どまりの男」と「のぼりつめる男」の差

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この答えは……アポ取りのメールのやり取りで、最も非効率なNGパターンは、

A:「希望の日時をお知らせください」

です。これは、その後のやり取りを想像すれば、すぐに納得いただけるでしょう。

A:「希望の日時をお知らせください」
B:「では〇月〇日〇時、×月×日×時、△月△日△時のいずれかではいかがですか」
A:「申し訳ありません。いずれも埋まっておりました。その次の週ではいかがでしょうか」
B:「では、〇月〇日〇時、×月×日×時はいかがでしょうか」
A:「〇月〇日〇時でお願いいたします」

きっと、このようになることでしょう。しかしながら、この5回のやり取りは、本来、2回で終わらせることができるものなのです。

A:「当方の希望候補日は以下のとおりですが、ご都合はいかがでしょうか。〇月〇日〇時、×月×日×時、△月△日△時」
B:「では、×月×日×時でお願いいたします」

前者の「希望日を聞く」アポの取り方では、「ご希望をお知らせください」と、相手を尊重したつもりでいて、結果的には相手に余分な手間をかけさせていることになります。

これはたとえるなら、自分の「カード」は出さないままに、相手の「カード」を出させている状態。相手に手帳をめくらせて複数案出させ、自分がすぐに返事をしないかぎり、そこに予定を入れたくても入れられない「保留」という状況をつくってしまうのです。

さらにその都合が合わないとなると、その同じ手間を2度取らせることになります。

「お願いする立場」だからこそ、「手間」を想像する

とはいえ、「希望の日時をお知らせください」と書きたくなってしまう気持ちも理解できます。相手が目上の方や、これから営業をかけたい相手などであれば、こちらは面談を「お願い」する立場。自分から候補日を指定するのは失礼と考えるからでしょう。

そんなときは「いったん、私のほうから候補日を出させていただきますが、ご都合が悪いようでしたら、ご希望日時をご指示ください」とひと言入れておくといいでしょう。

「のぼりつめる男」は、アポイントを取るときにも、「相手の手間を最小限にする」という狙いがちゃんとあるのです。

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