ANAと別れ、JALと手を組んだ「メキシコの翼」

航空連合を飛び越えた広範囲な提携が相次ぐ

中南米はJALにとって歴史的に重要だ。かつてカナダ・バンクーバー経由で成田―メキシコシティ間を運航していたことがあるが、2010年の経営破綻を機に撤退。成田―ブラジル・サンパウロ線も破綻で運休を余儀なくされた。同路線は30年以上にわたって運航していたこともあり、いまだに復活を望む声が絶えない。

一方、今年2月に成田―メキシコシティ線を就航したのが全日本空輸(ANA)だ。飛行時間が14時間30分にも及ぶ同社最長路線である。メキシコへの日本企業進出が1000社を超え、出張需要に高い期待を寄せたのだ。

並々ならぬANAのメキシコへの期待

メキシコシティ国際空港にあるアエロメヒコ航空のチェックインカウンター。モダンな建築の空港だ(記者撮影)

高地で酸素の薄いメキシコシティ国際空港での離陸のため、ボーイングの航空機「B787-8」用に新型エンジンを調達した。さらに、メキシコシティ発の便では離陸時に偏西風の向かい風が強いため、本来の169席より客数を制限しなければならない。そこまでしてでも、ANAが一貫して重視してきた出張客の取り込みにはこの路線が必要だった。

メキシコに進出する日本企業の8割は、メキシコシティ以外の都市にある。現地での乗り継ぎの利便性は重要だ。だが、ANAが属する航空連合「スターアライアンス」にはメキシコ国内線を運航する航空会社がない。

そこでアエロメヒコと一部で提携した。互いの日本とメキシコの国内線に特別運賃を適用できる契約を結び、乗り継ぎ便も含めた割安な通し運賃を設定できるようにしていた。

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