巨人優勝秒読み、東京ドーム一転増益 日本シリーズ出場なら、さらに利益上振れ

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東京ドームシティの外観。左はドーム球場、右は8月に再開した人気アトラクション「サンダードルフィン」(右端の観覧車「ビッグ・オー」の真ん中を走り抜ける形に配置されている)

セ・リーグ優勝へのマジックをついに12に縮めた読売巨人軍。9月7日の対阪神戦に勝利したことで3位以上が確定し、セ・リーグのプレーオフである「クライマックスシリーズ」への出場を決めている。

もっとも現在、2位・阪神とのゲーム差は10、3位・広島とのゲーム差は20.5まで開いているため、巨人が「クライマックスシリーズ」に1位(セ・リーグ優勝)で出場する可能性はきわめて高い。クライマックスシリーズに勝ち残れば、パ・リーグの勝者との間で「日本シリーズ」を戦うことになる。

その巨人の本拠地球場である「東京ドーム」(東京都文京区)を運営する、東京ドームの今2014年1月期(13年2月~14年1月)業績が、従来想定よりも上振れる可能性が濃厚になってきた。

巨人が強いと試合数増え、利益も膨らむ構図

東京ドームは9月5日、今2014年1月の業績見通しが従来計画に比べて、売上高は5億円減額の800億円に、営業利益は10億円増額の100億円になりそうだと発表した。売上高は連結子会社が減少したことにより下方修正されたが、営業利益については従来の減益計画から一転、増益見通しに上方修正された。

営業利益上方修正の理由は、主としてドーム球場でのプロ野球やコンサートイベントが好調なことによる。中でも大きいのはやはり、プロ野球の「ポストシーズン」の試合数が増えそうなことだ。

昨シーズンの巨人はセ・リーグで優勝。日本シリーズでも日本一の栄冠に輝いた。その結果、東京ドームで開かれた巨人主催のポストシーズンの試合数は、クライマックスシリーズが6試合、日本シリーズ3試合の計9試合にも上った。加えて、ドーム球場でのコンサートイベント開催数なども想定を上回って推移。会社側は期初時点ではもちろん、ポストシーズンの試合数は織り込んでいなかったため、前2013年1月期の営業利益は、期初計画の86億円から10億円も上振れて、96億円で着地した。

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