説明のヘタな人に教えたいたった1つのコツ 自分に「ズバリ何?」と聞いてみよう

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ズバリ発想法は、自己紹介にも使えます。もし、あなたが1分間の自己紹介を求められたら、どんなお話をするでしょうか? 伝わらない人は、家族の話、趣味の話、仕事の話など、ダラダラと話します。結果、何も記憶に残りません。しかし、印象に残る人は、1分間、ずっと1つに絞って話します。

たとえば、

「私の名前は〇〇です。今日は私の趣味の話をしたいと思います。私は将棋が大好きです。1日に10局ほど将棋を指します。暇さえあれば将棋倶楽部で将棋を指しています。おかげさまで今年で75歳になりますが、本当に頭が冴えて、気力も十分で、とっても元気です。仲間も増えて毎日楽しいです。最近は、年齢問わず若い方ともよく将棋を指しますので、気持ちも若くなりました。いつも20歳ほど若く見られます(笑)」

と、ズバリ「将棋」というテーマに絞って話をします。いろいろな話をするよりも、1つに絞って1分の自己紹介をしたほうが印象に残ります

ズバリ発想法はプレゼンテーションにも生かせます。当スクールでは、プレゼンの指導もよく行いますが、たとえばパワーポイントを40枚見せていただいた場合、必ず最後にこう聞きます。

「◯◯さんがこのパワーポイントで伝えたかったことは、『ズバリ』何ですか?」

「ズバリと言われると難しいですが~」「いくつかあってですね~」など、あいまいな返答が返ってくるプレゼンは、だいたいその時点で失敗しています言いたいことがありすぎて相手に伝わらないのです

最も伝えたいことを伝えるために

『10秒でズバッと伝わる話し方』(扶桑社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

よいプレゼンというのは、資料が何枚あっても「ズバリこれです!!」という明確な柱があるのです。

ですので、プレゼン資料を作ったら、必ず自分に、「このプレゼンテーションでいちばん伝えたいことはズバリ何?」と質問してみてください。きっとプレゼンのケースでもすばらしい結論ファーストを身に付けることができるはずです。

本日お伝えした方法は、急に話を振られても、ズバッと結論が言える、「結論ファースト」という手法です。

会議で突然意見を求められたとき、いきなり上司に報告を求められたとき、何か急に振られたら、(いつも話の冒頭に「ズバリ」と言っていてはおかしいので、ズバリは自分に投げかける心の声として)、「(ズバリ……心の声)私はこう思います!」と結論から話してみる。きっと最も伝えたいことがスッと出てくるはずです。

桐生 稔 伝わる話し方の専門家

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きりゅう みのる / Minoru Kiryu

モチベーション&コミュニケーション代表取締役、日本能力開発推進協会メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー、日本声診断協会音声心理士。2002年、大手人材派遣会社に入社。営業成績がドベで新卒3ヵ月にして左遷される。そこから一念発起し、全国売上達成率No.1を実現。その後、音楽スクールに転職後、事業部長を務め、2017年、社会人の伝わる話し方を向上すべく、モチベーション&コミュニケーション設立。これまで全国40都道府県で年間2000回にわたり「伝わる話し方」のセミナーや研修を開催してきた。テレビ朝日とABEMAが共同製作する『マッドマックスTV論破王』ではディベートの審査員も務めている。
 

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